<高校野球神奈川大会:横浜商6-0西湘>◇11日◇3回戦◇平塚球場

名門横浜商(神奈川)の窮状を「あんパン」が救った。

西湘対横浜商 6回裏横浜商無死一、三塁、左翼越えに2点適時二塁打を放つ笹川(撮影・玉置肇)

相手右腕の変則投法からの高めつり球を打ち損じ、5回まで無安打無得点。5回終了後のグラウンド整備中、ナインはベンチで「あんパン」を頬張った。すると6回裏「あれでスイッチが入った」と先頭の又吉秀也内野手(3年)が左越え三塁打を放つ。ベンチは初安打に沸き返る。1番が先制打。2番も続いて無死一、三塁。ここでドラフト候補の笹川吉康投手兼外野手(3年)が左翼手の頭上を破る2点適時二塁打を放った。9日の大磯戦では193センチの大型左腕として先発。バットでも高校通算40号を放った。プロ志望の笹川は「ホームランは毎打席狙っているけど、今日はタイミングが合わなかった。あんパンはエネルギー補食」と言う。

西湘対横浜商 6回裏横浜商無死一、三塁、左翼越えの長打を放った笹川は二塁に到達(撮影・玉置肇)

「あんパンを食べて、雰囲気が変わった。Y校とあんパンは切っても切れない縁がある」と小嶋一紀監督(47)。1896年(明29)、旧制一高(現東大)と横浜居留外国人クラブとの試合があり、横浜商の全校生徒が一高の応援に駆け付けた。このとき差し入れしたのが、あんパンだった。一高野球部が返礼に寄贈したボールとバットが、横浜商野球部発足につながった。Y校が伝統の「あんパン・パワー」で勢いを付けた。【玉置肇】

(2020年8月12日、ニッカンスポーツ・コム掲載)