阪神近本光司外野手(25)が16日、甲子園での自主練習に参加した。3週間の活動休止期間は自宅でできるレベルアップを図り「ひらめき力」で開幕への準備を進めていく。活動再開2日目は、甲子園で1軍32選手が自主練習を行った。
オンライン取材に応じた近本は思うように体を動かせない活動休止中の「おうち時間」を利用し、ひらめき力アップに努めたと明かした。そのカギは今まで飲めなかったコーヒーだった。「朝起きて1杯と、午後3時ごろのコーヒーというのを始めてみました」。飲むと体調を崩していた苦手を少しずつ克服し「自分の中でストレスなく、頭がさえるようになってきた」と効果を口にした。
ひらめき力アップにつながる根拠を明確に説明した。活動休止中は自宅待機。普段から読書家の近本はこの時間を使って、潜在意識や無意識に関する本を読み、自身の経験などから作られる意識の領域を広げると、プレーの判断、ひらめきにも生きると学んだ。「打席の中や(走者で)リードしている時に考えていること以外で、何か得られるものやひらめきにつながるかなと思ったので」。そこで、意識の範囲を広げようとほぼ未体験だったコーヒーに挑戦した。159安打で新人最多記録を更新し、36盗塁で盗塁王になった昨季より、少しでも成長しようと小さなことにもこだわった。
3月中旬には腸炎と診断されてチームを一時離脱し、体重も減少。自宅では補食を取り入れ、1日4回ほどの食事で体重回復に努めた。自宅できる「ストレッチや体幹系」のトレーニングも継続してきた。15日から再開した自主練習では野球ができる環境に感謝。新型コロナウイルスの予防には「感染しないように、感染させないように」と「3密」にも気を配った。
ただ、チームが再稼働した中、緊急事態宣言が日本中に発令された。今後はSNSでの発信を増やすつもりという近本は「感染者数をできるだけ増やさない世の中にしていかないと、開幕は見えてこないと思う。できるだけ外出(自粛)や感染しないように努めていただけるように」と開幕を待ちわびるファンに呼び掛けた。【奥田隼人】
(2020年4月17日、ニッカンスポーツ・コム掲載)