新型コロナウイルスの感染者数が急増し、東京都の小池百合子知事が今週末、不要不急の外出自粛を要請したことで、日本でも首都封鎖(ロックダウン)の可能性がにわかに現実味を帯びてきた。実際に起こったら、生活はどのように変化するのだろう。20日に自宅待機命令が発令されたアメリカ・ロサンゼルス(LA)では、この1週間で人々の日常生活は大きく変わった。中でも食生活における変化は著しい。

LAのスーパーでは精肉コーナーから肉が消える事態に

すべての飲食店やバーが閉鎖

生活必需品の買い出しは認められているものの不要不急の外出は原則禁じられ、行動が制限され、すべての飲食店やバーが閉鎖されている。営業が認められているのは、ドライブスルー、持ち帰り、宅配のみで、多くの人が非常事態に備えてすでに食料品を備蓄しており、家にこもって過ごす方が安全で安心だと思われている。

若者の自炊率も大幅アップ

そのため、自炊率が大幅に上がり、集合住宅では夕食時にお湯が出なくなるなどのトラブルも発生している。ほとんど料理をせず、外食率が高いといわれるミレニアル世代(1981~96年の間に生まれた人)にも影響は及び、ネットには品薄になっているパンを自宅で簡単に作る方法を紹介する動画や、自宅で体験できるオンラインのクッキングクラスなどが続々と登場。さらに、長引く自宅待機で料理に飽きた人たちは、より手軽さを求め、スープやスムージー用に1食分ずつ小分けされた新鮮な野菜や果物を冷凍宅配するサービスの売り上げが急増しているという。

オンラインのオーダーのみ受け付けるレストランも

店舗の売り上げは激減

一方で、店内飲食が禁止された飲食店は売り上げが激減し、窮地に立たされている。多くのレストランやカフェがテイクアウト営業に切り替えた。できるだけ客との接触を減らすためにオンラインで注文を受け、客は店舗前で車に乗ったまま商品を受け取る「カーブサイドピックアップ」というサービスを導入するなど感染予防の工夫もされている。

椅子やテーブルは片づけられ、ソファーの上には持ち帰りボックスが並ぶカフェ

テイクアウト割引を導入

また、テイクアウト割引を導入したり、備蓄している調味料やワインボトルなどアルコールを販売する店も。普段は敷居の高いコース料理を提供するミシュランの星付きレストランでもテイクアウトを実施し、シェフの手作りパスタソースを瓶詰で販売したり、業者や近隣の店と協力して、店内で野菜や焼き立てのパン、ジュース、総菜などを販売するレストランも出てきた。

閑散とした街に置かれた「テイクアウト20%」の看板

入手困難な生活用品を「おまけ」でつける店もある。LAで人気のタコス店では「エマージェンシー・タコ・キット」という家族向けのタコス具材セットに、品薄なトイレットペーパーと卵30個をプラスした緊急支援セットを販売。ファミレスのノームスは、「ケア・パッケージ」と名付けた人気メニューを自宅で作ることができる食材セットの販売を始めた。朝食からハンバーガーやステーキまでメニューが選べ、家族と一緒に料理を楽しみながら食事がとれる工夫もされている。

冷凍食品やインスタント食品ばかりでは栄養のバランスが悪いだけでなく、気分も滅入ってしまう。料理を楽しむことも自宅待機を上手く乗り切るコツとなりそうだ。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】