塩、みそ、キムチ、カレーなど今や数多くの味付けがあるちゃんこ鍋だが、大相撲の世界で定番中の定番といえば、しょうゆベースの「ソップ炊き」だ。

伊勢ノ海部屋伝統のソップ炊き

その味にこだわるのが、江戸時代1757年(宝暦7)から263年も続き、現在は勢、錦木の関取2人を擁する伊勢ノ海部屋。部屋伝統の味には、他では見られない手間暇が随所に施されていた。今回はその「秘密」をたっぷりと紹介する。

ちゃんこを囲む前列左から床将、勢、甲山親方(元前頭大碇)錦木、浅坂マネジャーと伊勢ノ海部屋の力士ら

すき焼きのような甘辛な香り

伊勢ノ海部屋の稽古は基礎運動の時間が長い。相撲を取り終えてぶつかり稽古をこなしても、まだ続く。

力士が隊を組んで何周もすり足をする「ムカデ」や腕立て伏せ、股割り―。たっぷりと汗をかかなければ、ちゃんこの味は五臓六腑(ろっぷ)に染み渡らない。そんな教えを垣間見る。

ちゃんこ担当の幕下頂も稽古をしっかり終えてから調理場に入る。25歳とはいえ、さすが10年目。手際がいい。元三段目雪光山の浅坂直人マネジャー(60)から受け継がれている“剛と柔”の調理法が光った。

ちゃんこ担当の頂がこしらえた食材の数々

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