昨年のラグビーW杯日本大会で8強に貢献したリーチ・マイケル主将(31)の母校・札幌山の手高で1日、卒業式が行われた。

卒業式後にグラウンドで佐藤監督(右)と言葉を交わす札幌山の手NO8タモエフォラウ(撮影・浅水友輝)
卒業式後にグラウンドで佐藤監督(右)と言葉を交わす札幌山の手NO8タモエフォラウ(撮影・浅水友輝)

偉大な先輩と同じニュージーランドからの留学生NO8ヴェア・タモエフォラウ(18)は将来の日本代表入りへスリム化を宣言した。186センチ、130キロ超の巨体を生かしたパワフルなプレーで同校を2年連続で花園出場に導き、2年連続で候補に選ばれていた高校日本代表には漏れた。卒業式後に取材に応じたタモエフォラウは「日本代表になるには走ることが必要。もっと走れるように体重を20キロ落として、大学で成長したい」。4月から入学する京産大での日本代表入りを果たすためにシェイプアップを図る。

京産大での飛躍を誓う札幌山の手NO8タモエフォラウ(撮影・浅水友輝)
京産大での飛躍を誓う札幌山の手NO8タモエフォラウ(撮影・浅水友輝)

入学当初は184センチ、105キロほどだったが、日本の食べ物のおいしさに体重はぐんぐん増加。3年生として迎えた最後の花園では勝利した昨年12月27日高鍋(宮崎)との1回戦で3トライを挙げるなど、相手を片手でなぎ倒す超高校級のパワーは備わった。一方で入学当初は6秒2だった50メートル走のタイムは6秒後半にまで落ちた。Bシードの中部大春日丘(愛知)との2回戦ではノートライでチームも負け「パワーはついたけど、これじゃダメだ」。高校卒業を機にコンビニで唐揚げや炭酸飲料の買い食いを封印し、俊敏さを取り戻すつもりだ。

3年間を過ごしたグラウンドの部室前でチームメートとともに記念撮影する札幌山の手NO8タモエフォラウ(後列左)(撮影・浅水友輝)
3年間を過ごしたグラウンドの部室前でチームメートとともに記念撮影する札幌山の手NO8タモエフォラウ(後列左)(撮影・浅水友輝)

リーチの恩師でもある佐藤幹夫監督(58)からは「ポテンシャルは今まででNO.1。大学にいって鍛えたら日本代表になれる可能性もある。リーチのようにみんなから信頼される選手になって欲しい」と期待されている。

新型コロナウイルス感染拡大のため、この日の卒業式は3年生と教職員のみと規模を縮小して行われた。3年間を過ごした高校について「入学してよかった。幸せだった。花園での悔しさを忘れずに、みんなのためにも日本代表になって世界一を倒せるような選手になりたい」とタモエフォラウ。東海大2年で日本代表初キャップを獲得したリーチ先輩のような鋼の肉体に鍛え上げ、大学在学中に桜のユニホームを身にまとってみせる。【浅水友輝】

(2020年3月1日、ニッカンスポーツ・コム掲載)