雨音をかき消すように、ミットの音が響き渡った。ロッテのドラフト1位、佐々木朗希投手(18=大船渡)が、今キャンプ初めて捕手を相手にキャッチボールを行った。練習開始直後の大雨で室内に移動。捕手を立たせ「投げていて気持ちよかった」と、力強く24球を投げ込んだ。キャッチボールながら、球を受けた前里ブルペン捕手が「145キロは出ていた」と証言するほど迫力があった。

ブルペン捕手相手に18.44mの距離でキャッチボールをするロッテ佐々木朗(撮影・横山健太)

その剛球の要因に「かむ力」がある。練習後、新人7選手を対象に咀嚼(そしゃく)能力チェックが行われ、佐々木朗は1027・4N(ニュートン)を記録し、7人中5位。自分の体重を支える力(体重85キロの佐々木朗は約850N)があれば十分とされる中で、まずまずの数値だ。

武田友孝教授(右)にかみ合わせチェックを受けるロッテ佐々木朗(撮影・横山健太)

かみ合わせの割合は左48・4%(497N)右51・6%(530・4N)とほぼ均等。検査をした東京歯科大の武田友孝教授は「バランスがいい。踏ん張る瞬間にうまくかめているから、いいボールが投げられる」と絶賛した。ただ1916・5Nで1位だった、育成ドラフト2位の植田将太捕手(22=慶大)とは大きな差が開いた。「普段からガムや固いものをかめば、さらに鍛えられる」と、伸び代は未知数。アドバイスを咀嚼し、さらに成長する。【飯岡大暉】

○…練習後、チーム宿舎では口腔(こうくう)健康セミナーが開かれ、藤原や安田ら約25人が歯や咀嚼と運動動作の関係について学んだ。引き続き講師を務めた武田教授は、バレーボールでジャンプの瞬間に力を入れてかむと3センチほど伸びる事例を紹介。野球ではインパクトの瞬間に力を入れることが重要だと説明すると、選手たちも納得した様子だった。

(2020年2月7日、ニッカンスポーツ・コム掲載)