ソフトバンク高橋純平投手(22)が「菜食男子」で初の開幕1軍入りを目指す。宮崎キャンプの第1クール最終日はフリー打撃の打撃投手として初登板。

打撃投手に登板した高橋純(撮影・栗木一考)
打撃投手に登板した高橋純(撮影・栗木一考)

真砂、ドラフト1位佐藤直樹外野手(21=JR西日本)の右打者2人に対し、オール直球で真砂は21球で安打性3、ボール球4、佐藤からは3度空振りを奪うなど20球で安打性1、ボール球4に抑えた。球速は140キロ中盤を計測。「初球から(力が)最大に投げられた。高めにも強い球がいった」と手応え十分だった。

1月の自主トレ中には「牛丼2杯食べたり」とおかわりトレーニングで体重増を目指していたが、2月1日のキャンプインから突然、「菜食男子」に変身。「動物性たんぱく質は食べていません。肉、魚を食べずに温野菜、大豆、アボカドなどとかを食べています」と、ホテル宿舎でのバイキング形式の食事で菜食メニューを取り続けている。

フリー打撃での登板を終えた高橋純は、栗原とグータッチ(撮影・菊川光一)
フリー打撃での登板を終えた高橋純は、栗原とグータッチ(撮影・菊川光一)

きっかけは友人の勧めだった。アメリカンフットボールXリーグ・オービックに所属する前田真郷(27)から話を聞き、薦められた米ドキュメント映画「ゲームチェンジャー スポーツ栄養学の真実」を見た。「おもしろくて見入ってしまった。人間は肉食に向いていない」とキャンプでの挑戦を決めた。この日は休日前日とあって、以前から松田宣に焼き肉に誘われており「そういう時間は大事」と笑って一時解禁を決めた。だが「体の状態を見ながらやっていきたい。体重を落とさないことが大事」と菜食を続けていく考えだ。

昨年は中継ぎとして45試合に登板して3勝2敗17ホールドと活躍。プロ初勝利のウイニングボールは岐阜市の実家へ持ち帰り、約束通り昨年亡くなった愛犬ゆうに届けた。今季は中継ぎだけでなく先発としても期待されている。「菜食男子」で体重だけでなく、体質も改善し、1年間通して1軍で投げ抜く体を手に入れる。【石橋隆雄】

(2020年2月4日、ニッカンスポーツ・コム掲載)