今回は、4年ぶりにセンバツ出場が決まった桐生第一高(群馬)野球部の登場です。寮の食事を白米から雑穀米に変えたところ、選手たちの体調に良い変化が表れました。甲子園出場につながった「新しい食トレ」をリポートします。

夕食の雑穀米カレーを前に「いただきます!」のあいさつをする選手たち

選手の栄養知識も広がる

「思うように体が大きくならない」「疲れがとれない」「おなかの調子を崩してしまう」。体作りのための食トレを強化する一方で、そんな悩みがあった今泉壮介監督(40=桐生第一OB)は2年ほど前にインターネットの記事で見つけた「雑穀米」に注目。部員の半数が生活する野球部寮の夕食(白米)に雑穀米を取り入れてみた。

アスリート用にブレンドされた岩手産の「六穀米」を白米1合に10~20グラムまぜて週3回出したところ、選手から「おいしい」「下痢をしなくなった」「風邪をひかなくなった」などの声が上がった。雑穀米は白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維が多くとれ、それらの栄養素が「腸のほうき」となって腸内環境を整えると言われている。理解して食べることで、選手たちの栄養知識も広がり、効率よく体重が増えていった。

ご飯の量は選手が決める

今泉監督は「何でもかんでも量を食べればいい、という時代ではない。栄養価の高いものを食べ、トレーニングをしながら目標体重に近づけていく時代。ご飯の量も強制はせず、自分たちで考えて決めさせています」と、手ごたえを口にした。

雑穀米にカレー、とんかつ、サラダ、リンゴ、ゼリー。ご飯の量は400から600グラム。体調や目標体重に合わせ選手が自主的に決める

この日の食堂には雑穀米にカレー、とんかつ、サラダ、リンゴ、ゼリーが並んだ。野球部、サッカー部の各寮の食事を担当している調理師の花房純也さん(43)は「サッカー部に比べ、野球部は増量に苦労している。おいしく、食べやすくがテーマですが、どうしても好みが肉に偏るので、朝食で魚を出すなど栄養バランスと、出すタイミングを工夫しています。細かった選手の体が大きくなっていくのを見るとうれしいですよね」と選手の努力を陰で見守っている。

昨秋の群馬大会優勝のときはタテジマのユニホームをモチーフにした特製ケーキを用意して盛り上がった。寮では家庭にいるときのような雰囲気で過ごせるよう気を配っている。

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