<大相撲初場所>◇千秋楽◇26日◇東京・両国国技館

幕尻優勝を果たした西前頭17枚目の徳勝龍(33=木瀬)が、取組後も観客を沸かせた。NHKのインタビューで喜怒哀楽の受け答え。冗談を言って満面の笑みを見せたり、場所中に亡くなった恩師に思いをはせて涙を流した。

近大相撲部伊東勝人監督の遺影を手にバンザイする徳勝龍、前から2列目右は母の青木えみ子さん(撮影・鈴木正人)
近大相撲部伊東勝人監督の遺影を手にバンザイする徳勝龍、前から2列目右は母の青木えみ子さん(撮影・鈴木正人)

奈良から駆けつけた徳勝龍の母えみ子さん(57)は「えらいことになりました」と笑顔よりも現実感がない表情だった。急死した近大の伊東監督の遺影を握りしめての祈りが通じた。

子どものころから大きかった。3歳から柔道、小2から野球を始め、4年から相撲クラブに通った。6年の時、橿原市の大会で優勝した野球では4番キャッチャー。「ホームランか三振かというタイプ」とえみ子さん。中学でも野球部に所属したが、将来の進路を見据えて相撲に絞った。中学2年の時、自ら立候補して生徒会副会長にもなった。

相撲クラブは週3回、車で約1時間かけて通ったという。クラブに行く前のおやつがラーメンとチャーハン。しっかり体を作って高校、大学でもまれてきた成果が実を結んだ。「本当に信じられません」は、母の心からの本音だった。

(2020年1月26日、ニッカンスポーツ・コム掲載)