球数制限にもの申す。DeNAからポスティング制度でレイズに移籍した筒香嘉智外野手(28)が12日、大阪・河内長野市で、中学時代に所属し現在はスーパーバイザーを務める「堺ビッグボーイズ」の部員たちと交流会を行った。

堺ビッグボーイズの交流会に参加した筒香(撮影・望月千草)
堺ビッグボーイズの交流会に参加した筒香(撮影・望月千草)

イベント後、今春から高校野球で導入される投球数制限ついて私見を語りまくった。

取材の冒頭で「僕の方からいいですか」と切り出し「球数制限のことも議論されていますけど、球数制限をすれば全ていいものではない。ゴールではない」と発言した。

投手の故障防止のため「1人の1週間の総投球数を500球以内」とする高野連の取り組みについて「プロ野球の先発投手で1週間だいたい100球前後、多くて130球。中継ぎでも1週間で100球いったら結構投げている」とプロの第一線で戦う視点から持論を展開した。

新ルールは昨年、有識者会議を4回重ねてたどり着いたが、筒香はその過程にも触れた。「ルールを作ったから前進とよく言われるけど、ただ作ったらいいのではない。子どもたちの成長の中で真剣にルールを考えないといけない。球数制限ができて良かったと報道されると思いますが、それは違う」。

これまでも育成年代での勝利至上主義、暴言や罵声による指導などに苦言を呈し、昨年は一部指導者の凝り固まった考え方を「アップデートされていない」と指摘。子どもたちが野球に素直に打ち込む姿を見るたび、率先して「ご意見番」になってきた。

堺ビッグボーイズの交流会でノックを打つ筒香(撮影・望月千草)
堺ビッグボーイズの交流会でノックを打つ筒香(撮影・望月千草)

この日も筒香は打撃実技、壁当てなど約3時間、子どもたちへ宝物を見るような優しい笑みを向けた。「何食べたら体が大きくなる?」という質問には「米!」と即答してじゃれ合った。取材終盤、声を張り上げた。「子どもたちが主役ということが1番ですよね。子どもたちの将来が1番であるというのを考えてほしい」。未来を守る姿勢は海を渡っても崩さない。【望月千草】

(2020年1月12日、ニッカンスポーツ・コム掲載)