帝京大の遠藤大地(2年=古川工)が2年連続の箱根駅伝快走を誓った。前回は3区3位。14位でタスキを受けて8人抜きし、5位に貢献した。「4年生が設定した優勝の目標を達成したい。前回も走りましたし、3区には適性があると思う。下りを利用して、前半からもっとハイスピードで走れる」。強敵ぞろいの区間でも区間賞を狙う準備は整った。

初優勝に挑む帝京大・遠藤
初優勝に挑む帝京大・遠藤

11月に国際競走セブンヒルズラン(オランダ)に出場したことも自信につながった。全日本大学選手権や学生ハーフマラソンの結果により、日本代表初選出。アップダウンの激しい15キロのコースで好タイムを出しただけでなく「生活の違いを経験したり、海外の選手と初めて走り、もっと良い環境で調整すれば、もっと良い動きが出来る手応えは出来ました」。10月には5000メートルで13分55秒97の自己新もマーク。速さとスタミナを兼ね備えている。

仲間と走る帝京大・星(左端)と遠藤(右端)
仲間と走る帝京大・星(左端)と遠藤(右端)

トレードマークは黒縁メガネだが、レースでは勝利アイテムのサングラスに着け替える。昨年11月に自分で選んで約3万円で購入した逸品。初着用の箱根で1年生ながら存在感を示して以降、勝負時のお守りグッズでもある。シューズと一緒に枕元に置いて寝るなど、愛着たっぷりだ。

名前の「大地」は、生まれた4月4日が遠藤家の「稲の種まきの日」だったため、大地のように強く育つ願いが込められている。祖父が作る「ひとめぼれ」の白米を食べて成長。今年1月の帰省時には、家族や地元の知人らが箱根の走りを喜んでくれた。「日の丸を付けた自覚や責任を持ってやっているし、地元は台風被害で大変な地区もある。勇気を与える走りを見てほしい」。箱根路の大地を力強く駆ける。【鎌田直秀】

初優勝に挑む帝京大・星(左)と遠藤(撮影・鎌田直秀)
初優勝に挑む帝京大・星(左)と遠藤(撮影・鎌田直秀)

○…前回10区区間1位で仙台市出身の星岳(3年=明成)は高校の先輩、村山兄弟(ともに現旭化成)超えを狙う。桜丘中野球部時代に兄謙太が全日本大学駅伝で区間賞を取った走りに感銘を受け、陸上を開始。5000メートルと1万メートルで16年リオ五輪出場の弟紘太とは母校壮行会で対面し「2人の走る姿がすごい。自分も将来的には五輪を目指せる選手になりたい。睡眠や栄養などの意識も高く持てるようになりました」。11月には1万メートルで自己新をマークするなど調子も上々で、2人も達成していない2年連続区間賞に挑む。

◆遠藤大地(えんどう・だいち)1999年(平11)4月4日生まれ、宮城・大崎市出身。小学校時代はサッカー部、三本木中ではバスケットボール部に所属し、古川工から競技を本格開始。好きな食べ物はハンバーグ。好きなタレントは佐々木希。173センチ、57キロ。血液型AB。

(2019年12月19日、ニッカンスポーツ・コム掲載)