大相撲の小結阿炎(25=錣山)が、来年20年に向けて初優勝と大関とりを宣言した。5日、福岡・うきは市で行われた冬巡業に参加した。

関取衆と申し合いを行う阿炎(撮影・佐藤礼征)
関取衆と申し合いを行う阿炎(撮影・佐藤礼征)

年6場所全て勝ち越し

幕内力士で唯一、年6場所を全て勝ち越したこの1年。来年の目標と大関昇進への意欲を問われると「優勝したい。(大関昇進と)どっちも目指す」と、力強く話した。

九州場所前はインスタグラムに不適切な投稿をして、SNSで拡散された。ネット上では批判の声が巻き起こり、日本相撲協会から厳重注意を受けるなど、役力士として自覚に欠けた行動を取ってしまった。この日、阿炎は反省の意思を示した上で「これで精神面が強くなれば」と“炎上”の経験を糧にすることを誓った。

細身のイメージが強いが、現在の体重は150キロを超えているという。「頑張って食べた。去年と比べて10キロ近く大きくなったと思う」。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)からも、空腹の時間をつくらないように指導され、今巡業でもバス移動中におにぎりをほお張るなどして体重をキープしている。「体重はもうこのままでいい。あとは技術的なところ」。さらなる成長へ、持ち前の突っ張りだけでなく四つ相撲を取り入れることも視野。勝負の1年へ「九州で勝ち越して自信になった。負けたとしてもいい相撲を取っていきたい」と話した。

(2019年12月5日、ニッカンスポーツ・コム掲載)