お米パワーで目指せホームラン王! 巨人ドラフト6位の酒田南(山形)伊藤海斗外野手(18)が28日、酒田市内の同校で指名あいさつを受けた。
「どこの米よりも山形米が好き。食感や光に当てたときのツヤがいい」と「つや姫」など地元米を愛し、1回の食事で丼3、4杯分をほおばってきた。放物線をたくさん描き、米どころ山形をアピールする。
緊張した表情が徐々に和らぎ、東京ドームで躍動する自身を想像した。「ドラフトのときは『あぁ、プロだ』という感じだったが、今は仕事になった感覚。飛距離と長打力が持ち味なので、バットを振り貢献したい」。187センチ、88キロの恵まれた体格で高校通算36発を誇る左のアーチスト。愛称は高校1年時に先輩から名付けられた大蛇「アナコンダ」。獲物を長い体で絞め殺して飲み込む本家のごとく、桁違いのパワーで1年秋に山形県野球場で場外弾を放ち、またその1発よりも飛距離を出した大ファウル伝説も残した。
4465グラムの超巨大児として誕生し、4歳上の兄の影響で5歳から野球を始めた。学校終わりには父がつくったティー打撃スペースで毎日2、3時間バットを振ってきた。現在は同僚になる巨人丸らのスイング軌道やボールの当て感を動画で研究。丸が「シュッ」と息を吐きながら打つ打撃練習も取り入れている。
柏田貴史スカウト(48)は「バットコントロールが柔らかい。高校生でこの体格ならプロでもっと大きくなる。スケールの大きい選手になってほしい」。平成の巨人は松井秀喜氏(45)、高橋由伸氏(44)、阿部慎之助捕手(40)ら左の強打者がけん引してきた。令和はアナコンダ伊藤が伝説をつくる。【山田愛斗】
(2019年10月28日、ニッカンスポーツ・コム掲載)