<プロ野球ドラフト会議>◇17日

旧帝大の一角、名大野球部から創部70年目の今年、初のプロ野球選手が誕生する。

愛知大学リーグ3部に所属する名大・松田亘哲投手(4年=江南)は、中日から育成1位指名された。旧帝大からの輩出は東大、京大に次ぐ3校目。「うれしいです。不思議な気持ちになりました」と黒縁めがねがトレードマークの童顔をほころばせた。

名古屋大ゆかりのノーベル賞受賞者前でプロでの活躍を誓う松田。後方パネルは左から、野依良治氏、小林誠氏、益川敏英氏、天野浩氏(撮影・前岡正明)
名古屋大ゆかりのノーベル賞受賞者前でプロでの活躍を誓う松田。後方パネルは左から、野依良治氏、小林誠氏、益川敏英氏、天野浩氏(撮影・前岡正明)

最速148キロのストレートが武器で多彩な変化球を操る。高校ではバレー部でリベロ。3年間のブランクを経て野球に舞い戻った異色の左腕だ。野球から3年間離れて違うスポーツをやったことで「野球やりたいな」と再チャレンジの気持ちが芽生え入部。1日5000キロカロリー摂取を目標に、冬場は1日5食とり体を強化した。

リーグ通算14勝で、この秋は4勝をマークした。「高いレベルの人たちと野球をやることになる。打者とのタイミング、駆け引きを勉強して、自分に足りないところを勉強していきたい」と話す頭脳派。同じ知性派の中日・根尾に興味を示し「頭が良い。メンタル、生活面など吸収したい」と根尾塾へ入塾希望した。

中日の育成1位で指名され緊張の表情で会見する名古屋大・松田(撮影・前岡正明)
中日の育成1位で指名され緊張の表情で会見する名古屋大・松田(撮影・前岡正明)

素顔は人気アイドルグループ・日向坂46が好きな22歳。「名古屋大硬式野球の歴史を背負ってやりたい」。育成からの入団でも、いつかは球場のセンターに立ってみせる。【望月千草】

(2019年10月17日、ニッカンスポーツ・コム掲載)