20日にキックオフのラグビー日本代表、W杯準々決勝南アフリカ戦のパブリック・ビューイング(PV)で築地場外名物の「負けない食堂」が再び開場する。場外の名店が日本代表やラグビーにかこつけたおいしい逸品メニューをひねり出してくる。
場外の複数店舗がおいしい商品を提供するオール築地、つまり「ONE TEAM(ワン・チーム)」で実施するPVは初の試みになる。
当日は、築地魚河岸3階「魚河岸食堂」をPV観戦エリアとして無料開放して、午後4時の準々決勝のフランス-ウェールズ戦から、同7時開始の日本代表の南アフリカ戦まで盛り上がる。
場外各店は「ラグビーの各国代表の選手も場外にメシを食いにきてるしね。ここはちょっとメニューは粋(いき)にいきたいね」と頭をひねってきた。
メニューに関して企画する築地鳥藤(とりとう)の鈴木昌樹社長(42)は「各店、なんらかネーミングを考えてきている。これが場外から応援の熱さと思ってもらっていい。しかもうまいものしかおいてない。自称ですが“世界一おいしいPV”でお願いします」と鼻息は荒い。
築地鳥藤は、日本代表が各試合ごとに綿密に戦術を練ることに注目し、じっくりと寝かした秘伝のタレを使った焼きそばを南アフリカ戦だけのために準備した。スコットランドに競り勝った13日のPVでもメニューを出して「鶏ラーメン」を提供したが、一部で「スープのない焼きそばがあったらうれしい」との声にすぐに反応し、スタッフと会議を重ねて、オイスターソースを隠し味にする「必勝鶏焼きそば」を考案した。
その他の各店の代表メニューは以下。
●築地で一番古いすし店の寿司清は「強力モールのまきまき巻き寿司」
●飲茶(ヤムチャ)グルメの菅商店は「行け松島、飛べ福岡 トライ(鳥)シュウマイ」
●漬物の広洋は白菜、大根、ニンジン、キュウリで「日本の白&赤のジャージでグリーンの南アフリカを食うぞぬか漬け」
●老舗玉子焼きのつきぢ松露は「強烈ダブルタックルではさみ撃ちにする松露サンド(玉子焼きをオリジナル食パンではさんだサンドイッチ)」
●青果藤本商店はスクラムできれいに並ぶ第1列のような「エダマメ」
●そして近江屋牛肉店は「南アフリカをギューといわせるローストビーフ」
このようなラインアップを用意して迎え撃つ。鈴木社長によると「そのほかにも当日までひた隠す目玉メニューもあるし、お酒が飲めない人を意識したスイーツもありますよ」と力こぶをつくった。
魚河岸食堂は、昨年のサッカーW杯ロシア大会のコロンビア戦から始まって、日本代表の試合は5勝1分けと「負けない食堂」をうたっている。今回の南アフリカ戦も、もりもりおいしく食べて、ハイネケンを飲んで、南アフリカを倒しにいく。
(2019年10月18日、ニッカンスポーツ・コム掲載)