格下だからと侮れない-。サッカー日本代表(FIFAランク31位)は10日、W杯アジア2次予選でモンゴル代表(同183位)と対戦する。

日本がモンゴルと対戦するのは初。一体、モンゴルとはどんな選手が主軸でどんなスタイルなのか。モンゴルリーグのFCウランバートルでプレー経験を持つFW阿部速秀(23)にモンゴルのサッカー事情と特長について解説してもらった。

ランニングをする日本代表の選手たち(撮影・横山健太)

モンゴルリーグでプレー、FW阿部速秀が解説

阿部は今年の3月から約半年間、モンゴルリーグでプレーしていた。給料の未払いもあり今年8月に帰国したが、モンゴル代表を擁するチームと対戦し、短期間ながらもモンゴルのスタイルを肌で感じた。サッカーは発展途上で、レベルに関しては「正直、日本の大学サッカーの方が強い。止める・蹴るの技術は代表でもできてない選手が多いし、パスの精度もあまりよくない」としながらも、相手エースFWナランボルト(アスレチック)を要注意人物として挙げ「身体能力のお化け」と警戒を促した。

阿部はモンゴル生活を「主食が肉」と振り返り「選手のほとんどは骨太。骨格と筋力はアジア水準ではなかった」と話す。相手のスタイルに「対人と球際の部分では本当に負けず嫌いで、そこはモンゴルの強み。ファウルでも止めてくる。アフターでもガンガン来ます。技術と組織力は低いかも知れませんが、身体能力は際立っている」と印象を語る。

その中でも、ナランボルトは強靱な体幹を誇り、ゴールから遠い位置でもノールックでミドル弾を決めてくるという。「引いて守ってナランボルトに当てるサッカーをしてくる可能性は高い。当たりも含めて強いので厄介。怖いのは彼の1発。入らないと思う位置からでも入れてくる」と油断大敵を掲げた。

練習開始前、選手たちに声をかけるサッカー日本代表の森保監督(右から2人目)(撮影・横山健太)

モンゴルのサッカーは発展途上。日本のサッカー界は、筋力トレーニングを組み込んでいるが、モンゴルではほとんどやっていないという。阿部は「ナランボルトが筋トレを始めたのは今年の春と聞きました。これから、筋トレが主流になったら、一体、どこまで伸びていくのか」と、その伸びしろに注目している。

冬は雪に包まれ芝が育たないため、モンゴルの競技場はすべて人工芝。この時期はモンゴルでは既に雪が降っている。相手は日本の高温多湿の気候、天然芝でのプレーに慣れていない部分で日本にはホームアドバンテージはある。だが、来年3月のアウェーでのモンゴル戦は、極寒とコンクリートのように硬い人工芝でのプレーが余儀なくされる。ホームでしっかり勝ち点3を積み上げることが必要になりそうだ。

阿部速秀(あべ・はやひで) 1996年(平8)7月6日、神奈川・川崎市生まれ。小学時代は川崎フロンターレの下部組織に所属。西中原中学、麻布大渕野辺高、神奈川大学でプレー。大学卒業後の今年3月からモンゴルのFCウランバートルでプレー。給料未払いの問題があり今年8月に帰国。現在は、欧州のトライアウトに挑むべく“蹴活中”。170センチ、70キロ、血液型O。

(2019年10月8日、ニッカンスポーツ・コム掲載)