ラグビー日本代表WTB福岡堅樹(27=パナソニック)の母校、福岡高の谷山隼大(はやた、3年)が、福岡県選抜メンバーのLOとして国体ラグビー少年男子の部に出場し、8年ぶり6度目の優勝に貢献した。

国体で優勝した福岡選抜チーム
国体で優勝した福岡選抜チーム

東福岡を中心としたメンバー構成の福岡県選抜の中で、全3試合にスタメン出場し、準決勝の京都戦では先制トライを記録。「人生初の日本一なので、めちゃめちゃうれしいです。アップのときから気持ちを高めて、最高のモチベーションで決勝に挑むことができたことが勝因。優勝メダルがすごくかっこよくて、偉業の重みを感じました」と声を弾ませた。

国体での谷山のプレー
国体での谷山のプレー

183センチ、84キロの谷山は、身長を生かしたハイボールの強さに加え、50メートル6秒3の俊足が持ち味。LOだけでなく、No.8やCTBもこなすユーティリティプレーヤーとして、高校全日本候補にも選ばれている。玄海ジュニアラグビークラブ時代には中学福岡選抜として全国準優勝を経験した。

U17代表選手で韓国遠征した谷山(左)
U17代表選手で韓国遠征した谷山(左)

9月28日のワールドカップ(W杯)日本対アイルランド戦は、国体メンバーとともに茨城の宿舎でテレビ観戦。逆転トライを奪った先輩、福岡のプレーに興奮した。

「W杯でラグビーが注目される中、身近な存在だったケンキ君が活躍し励みになっている」。子どものころから「ケンキ君」と慕う福岡と、谷山は中学、高校と同じ道をたどっている。愛用している青と黄色のマウスピースは、福岡の実家の歯科医院でオーダーしたものだ。

福岡堅樹の実家が経営する歯科で作った谷山のマウスピース
福岡堅樹の実家が経営する歯科で作った谷山のマウスピース

この夏は、「ケンキ君のように福高から花園に出たい」として、積極的な増量に取り組んだ。「チームチャレンジ」と称し、「筋トレ」「食事」に加え、持久力を評価する「Yo-Yoテスト」の個人目標を設定し、約6カ月の長期計画で計測を行った。糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を意識した食事で81キロから最大88キロまで体重を増やし、さらに俊敏性をつけるトレーニングを強化している。

母由紀子さんの手料理。焼肉、肉とタマネギとシメジの甘辛煮、鶏むね肉アボカド入りサラダ、手羽先、卵スープ、ブドウ
母由紀子さんの手料理。焼肉、肉とタマネギとシメジの甘辛煮、鶏むね肉アボカド入りサラダ、手羽先、卵スープ、ブドウ

いよいよ、13日に花園出場に向けた県大会が初戦を迎える。最大のライバルは19年連続出場の東福岡。国体に引率した原雅宜監督が「決勝は15人中14人が東福岡というスタメンの中に谷山が抜擢され、良い経験ができたはず」。同じくLOの大谷勇人(2年)は「副キャプテンとしても尊敬する先輩。国体で得た情報を福高に生かしてもらい、打倒東福岡で花園予選を突破したい」と谷山の活躍に期待する。

福岡でフィットネスリーダーを務める谷山(右)と大谷勇斗
福岡でフィットネスリーダーを務める谷山(右)と大谷勇斗

福岡県最多の花園37回出場を誇る福岡高。東福岡と2校出場した2010年以来、9年ぶりの切符を手にできるかどうかは、谷山がカギを握っている。【樫本ゆき】