<高校野球兵庫大会:社2-0須磨翔風>◇22日◇5回戦◇姫路ウインク球場

兵庫「社旋風」が止まらない!最速148キロを誇る近畿屈指の右腕、社(兵庫)・藤本竜輝投手(3年)が22日、春の兵庫準Vチーム須磨翔風との5回戦で3安打完封勝利を飾り、準々決勝進出を決めた。

須磨翔風戦に先発した社・藤本(撮影・佐井陽介)

阪神では同校OBのドラフト1位近本光司外野手(24)がサイクル安打を達成した球宴から好調をキープ。大先輩の勢いも借り、初の夏甲子園まで突っ走る。

5回戦の前夜、藤本のスマートフォンに動画が送られてきた。社の大先輩にあたる阪神近本がヤクルト戦で決勝3ランを放った映像だった。「ツイッターで回ってきて。いい刺激になっています」。胸を高ぶらせる材料に使わせてもらい、この日、後輩は無双状態に入った。

8回表終了時点で両チーム無得点。須磨翔風エース北村聡汰投手(3年)との壮絶な投げ合いを制した。強い直球で押す。キレ味抜群のスライダーで振らせる。9奪三振2四球で被安打はわずかに3。「思っていた真っすぐ、変化球を投げられた」と納得した。

社・藤本(右)は春の準Vの須磨翔風を相手に完封勝利を収める(撮影・佐井陽介)

まだ荒々しかった昨秋から格段に安定感が増した。冬のスキー合宿で右手親指を骨折。投げられない期間を有効活用したから今がある。走り込んだ。10キロの重りを抱えてスクワットを続けた。体重は70キロから75キロ前後まで増加した。フォームは「リリースを小さく、前を大きく」改良。ボールの回転数にもこだわり続け、「指にかかった、いい球が来ていると思います」。

夏に入る直前、山本巧監督(47)からアドバイスを受け、新たなルーティンも取り入れた。毎日、練習終わりなどに500ミリリットルのオレンジジュースを飲む。オレンジジュースにはクエン酸、ビタミンCなどの成分が豊富に含まれ、疲労回復に効果的だと言われる。この日、藤本の直球には9回まで力があった。

阪神才木の母校でもある須磨翔風を封じ込め、若虎後輩対決に勝利。悲願の夏甲子園が近づいてきたが、目標はさらにその先にある。「甲子園に出ることを通過点として…」。迫力満点の投球スタイルには強気な言葉が似合う。【佐井陽介】

(2019年7月22日、ニッカンスポーツ・コム掲載)