<高校野球南北海道大会:札幌創成3-2知内>◇16日◇1回戦◇札幌円山球場

札幌創成が3-2のサヨナラ勝ちで知内を下し、01年以来18年ぶりに初戦突破した。

札幌創成対知内 サヨナラ打を放ちチームメートと笑顔で引き揚げる札幌創成竹内(右から2人目)(撮影・佐藤翔太)
札幌創成対知内 サヨナラ打を放ちチームメートと笑顔で引き揚げる札幌創成竹内(右から2人目)(撮影・佐藤翔太)

打率0割のエースが決めた。9回無死満塁。打球が左前に抜け、サヨナラの走者が生還するのを確認すると、竹内は右手を空高く突き上げた。「きたーという感じ。いいところで打てて、本当にうれしい」。今夏6打席目での初安打が、値千金の決勝打となった。

今春の地区初戦で腰を痛めて以降、満足に練習ができなかった。今夏は地区予選2試合に登板も、6回3失点と納得いく投球ができなかった。代表決定戦後は休養最優先で、今大会開幕3日前にブルペンに1度入っただけ。「投球もまともにできない状況だったし、打撃練習ができる状況じゃなかった」と振り返る。遠田誠治監督(55)も「三振していい。とにかく併殺だけにはなるな」と送り出した8番打者が、思わぬ結果をもたらした。

札幌創成対知内 力投する札幌創成先発の竹内(撮影・佐藤翔太)
札幌創成対知内 力投する札幌創成先発の竹内(撮影・佐藤翔太)

マウンドでも4回まで完全ペース。キレのある直球に変化球を織り交ぜ、無四球完投した。負傷の一因になっていた、左膝が内側に入る投球フォームの癖を修正し「いいボールを投げられるようになった。みんなに迷惑掛けていたから1人で投げきれて良かった」。本職での復調が、最終回のドラマを引き寄せた。

冬場は元中日の遠田監督と一緒に筋力トレに励み、体重を15キロ増の80キロまで上げた。球速も12キロアップの145キロまで伸びた。同監督は「回転がきれい。体重が増えて球に重みが出てきた。まだ伸びる」と言う。同校は16年の遠田体制スタート後、4年目で初の南大会1勝。次は創部55年初の4強を狙う。【永野高輔】

(2019年7月16日、ニッカンスポーツ・コム掲載)