<高校野球兵庫大会:報徳学園11-0篠山産>◇10日◇1回戦◇ウイング姫路

篠山産の藤井敦裕監督(38)は兵庫大会初戦で報徳学園に敗れ、古林寛太主将(3年)の背中に手を回し、長い握手を交わした。今年は手応えのあるチームだった。だが優勝候補はやはり強かった。0-11でコールド負けした。

握手する篠山産の藤井監督と古林主将(撮影・柏原誠)

兵庫県東部、周囲を山に囲まれた丹波篠山市に学校はある。5月の改元と同時に「篠山市」から名称変更された。地元でとれる良質なイノシシ肉と、野菜をたっぷり入れた「ぼたん鍋」で有名だ。

野球部員はほとんどが近隣出身。3年生11人のうち7人が篠山で育った。小学校、中学校から野球部で何度も対戦してきた顔見知り。各校の好素材が篠山産に集まった。

彼らは特色ある環境で、成長した。同校では電気建設工学科、農と食科などで専門知識を学ぶ。防球ネットを野球部が溶接したり、グラウンドをならす「トンボ」を直したり。学校の授業として行われるという。

田村智希、石橋翔太の両選手(ともに3年)の家が農家で、学校が精米を買い取っている。冬の間の2カ月はその米をマネジャーが炊飯器で炊きあげ、1人あたり2合ほどを毎日、練習の合間に食べた。部員の平均体重は5キロも増え、パワーが増した。

昨年からのレギュラー6人を擁し、激戦区兵庫で「16強」を目標に掲げていた。力強いスイングで報徳学園の好投手・林直人投手(3年)から5安打を放った。登板した3投手とも力のあるところは見せた。

笑顔で記念撮影する篠山産の藤井監督(左)と古林主将(撮影・柏原誠)

同監督はラストミーティングで「今日はベストゲームで負けた。悔いはない」とナインにねぎらいの言葉を贈った。古林主将は「全ての力を出せて終われました。僕は篠山で育ったので、篠山を支えていきたい」と地元での就職を希望している。【柏原誠】

(2019年7月10日、ニッカンスポーツ・コム掲載)