<高校野球青森大会:三本木農5-4黒石商>◇10日◇1回戦◇八戸市長根公園野球場

三本木農(青森)が双子二遊間の走攻守にわたる活躍で、5-4と黒石商に逆転勝ちした。中野渡誠と学(まさと、ともに3年)。「9番遊撃」の弟学が昨夏の大会直前に鎖骨骨折で離脱したため、夏の同時出場は初。過去最高の2人の思い出を問われると、「今日です」と同時に即答するほど息もぴったりだった。

黒石商対三本木農 「サンノウ旋風」を誓う三本木農・中野渡兄弟の弟学(左)と背伸びをして肩を組む兄誠(撮影・鎌田直秀)
黒石商対三本木農 「サンノウ旋風」を誓う三本木農・中野渡兄弟の弟学(左)と背伸びをして肩を組む兄誠(撮影・鎌田直秀)

「2番二塁」の兄誠は初回から足で貢献。一塁走者として本塁にヘッドスライディングで生還した。打撃でも2安打1打点、6度の守備機会も無失策。「2人で刺激しあってバンバン言える。学は1個ミスしても、しっかりカバーできる」。1失策した弟の、声などで雰囲気を修正できる能力をたたえた。

学は無安打も、二塁カバーなど機敏な動きは目立った。「誠は自分より何もかも上。見習うことばかり。ただ、授業中にうるさかったりすると、双子の連帯責任で怒られることだけは嫌」と笑った。

黒石商対三本木農 二遊間を守る三本木農・中野渡学遊撃手(右)と中野渡誠二塁手
黒石商対三本木農 二遊間を守る三本木農・中野渡学遊撃手(右)と中野渡誠二塁手

11人きょうだいの9番目と10番目。「小中学校の頃は全員が食べ盛り。おかわりは速い順だったので、食事は戦場でした」と苦笑いも、母真理子さんへの感謝は忘れない。試合後は勝利報告のメールを送った。次戦は第1シード青森山田。学は「粘り勝ちたい」と誠と肩を組み、金足農(秋田)に続く「サンノウ旋風」を誓った。【鎌田直秀】

(2019年7月10日、ニッカンスポーツ・コム掲載)