日大山形(山形)が屈辱を糧に、チーム一丸で巻き返す。大江陸音主将(3年)は「借りは夏にしか返せない。落ち込んでいる暇もない。1つのミス、1つのプレーに対して言い合える意識は高くなったと思う」。夏にかける執念をみなぎらせた。

甲子園出場を誓う日大山形・大江主将(左)と佐藤マネジャー
甲子園出場を誓う日大山形・大江主将(左)と佐藤マネジャー

今春の高校野球東北大会初戦で、弘前学院聖愛(青森)に1-13と5回コールド負け。球場からグラウンドに直行し、緊急ミーティングから逆襲に発進した。考えの甘さを払拭(ふっしょく)し、3年生部員20人が自他共に厳しさを求めて一致団結することを誓いあった。

6月下旬の練習試合で、県外の強豪明秀日立(茨城)に先制されても追いつき、度重なるピンチも脱して勝ち越し。東北(宮城)にも大勝するなど「投手も野手も粘り強く戦う気持ちのつながりが出てきた」と手応えも得つつある。

全員で戦う象徴として、補食のために約25合の白米を炊き続けるなど、陰ながら支えてくれた同学年唯一の佐藤日菜子マネジャーに「21」の背番号入りユニホームを贈って、感謝の意も表した。プロ注目の渡部雅也捕手(3年)を攻守の軸に、3年生“21人”がチームを引っ張る。【鎌田直秀】

(2019年7月4日、ニッカンスポーツ・コム掲載)