<ルートインBCリーグ:新潟16-2福島>◇2日◇長岡市悠久山

新潟は福島に16-2で大勝し、後期勝率を5割に戻した。9番・菊地悠人外野手(23)の今季1号が満塁弾となるなど17安打と打線が爆発。投げては先発の中西啓太投手(27)が7回2失点の安定した投球をみせ、9勝目を挙げた。3日はビジターで群馬(高崎城南)と対戦する。

4回裏無死満塁、左越えの1号満塁本塁打を放つ菊地
4回裏無死満塁、左越えの1号満塁本塁打を放つ菊地

「打った瞬間に入ったと思った」。確かな感触を残した打球は左翼席へと飛び込んだ。初回から得点を積み重ね、11-0と大量リードした4回、菊地の第3打席は無死満塁の場面で回ってきた。「ほかの打者も当たっていたので、積極的に行こうと思った。最低でも外野フライのつもり」で打席に入った。

1ストライクからの2球目、インコース低めのカーブを思い切り引っ張った。「崩されずに、うまく反応できた」。満塁本塁打は少年野球でのランニングホームラン以来で、柵越えに限れば「野球人生で初」という記念の1号グランドスラムだった。

4回裏、満塁本塁打を放ち出迎えたチームメートと喜ぶ菊地(右)
4回裏、満塁本塁打を放ち出迎えたチームメートと喜ぶ菊地(右)

今季はここまで打率2割7分6厘。決して悪くない成績だが「納得できる結果ではない」と自身の出来を評価。ルーキーイヤーの昨季に打率3割3厘の数字を残していたこともあり「打率を下げるのが嫌で、小さくまとまってしまっていた」と前期の打撃を振り返っていた。

本塁打1本だった昨季からの成長をアピールしようとオフには、ウエートトレーニングや食事回数を増やし、体重は5キロ増の76キロに。パワーに自信をつけ、飛距離向上が今シーズンのテーマに定めていたはずだった。「もっと体を大きく使おう」。後期は長打を狙う「大きなスイング」を意識し、臨んでいた。

この日は、第5打席でも中前打を放ち、複数安打をマーク。「スイングへの意識を変化させた結果が、早めに出て良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。目標は年間5本塁打。満塁弾を契機に、菊地が調子を上げていきそうだ。【山岸章利】

(2019年7月2日、ニッカンスポーツ・コム掲載)