<日本ハム9-1西武>◇2日◇札幌ドーム

新戦力がチームの窮地を救った。巨人からトレード移籍した日本ハム宇佐見真吾捕手(26)が大暴れ。

日本ハム対西武 背番号「30」のユニホームが届き笑顔の宇佐見(撮影・黒川智章)
日本ハム対西武 背番号「30」のユニホームが届き笑顔の宇佐見(撮影・黒川智章)

2回の移籍後初安打初打点となる適時二塁打から、3打席連続安打でプロ入り初の猛打賞を決めた。球団記録の1イニング9連続安打に迫る8連続安打をきっちりつなぎ、4回にも適時打をマーク。交流戦から続いていたチームの連敗は6でストップ。先発全員の18安打で9点を奪って3位西武に大勝し、勝率を5割に戻した。

新天地で待望の1本が飛び出した。先制した直後の2回無死二、三塁。宇佐見は西武高橋光の高めの直球に反応した。「転がせば1点入るくらいの気持ちで(打席に)入った。素直にうれしかった」。打球は右翼手の頭を越えた。この適時二塁打で打線に着火。8連続安打とつながり、一挙に8点を奪う猛攻で、序盤に試合を決めた。

日本ハム対西武 2回裏日本ハム無死二、三塁、宇佐見は適時二塁打を放つ。投手は西武高橋光(撮影・佐藤翔太)
日本ハム対西武 2回裏日本ハム無死二、三塁、宇佐見は適時二塁打を放つ。投手は西武高橋光(撮影・佐藤翔太)

6月26日に日本ハムへのトレード移籍が発表された後、巨人原監督からメッセージをもらった。「思いきり暴れてこい」。前チームの指揮官からの熱い激励。「シーズン中、このタイミングでトレードで移籍することは必要とされている中での移籍」と己に言い聞かせた。移籍後の2試合では4打数無安打も、3試合目にして初の猛打賞をマーク。「原さんからもファイターズに行って、自分の持ち味を存分に発揮してくれと言われていた。今日結果が出てよかったなと思う」と笑顔でうなずいた。

休日となった今月1日には、札幌市内へと出かけた。「半袖しかもってきていなかった…」。約3日分の洋服しか手元になかったことから、1人買い物へ出た。札幌駅直結の商業施設で洋服を、ドラッグストアではバス用品などの日用品を購入した。夜には同学年井口、石川亮とともに食事へ出かけ、焼き肉を食べて英気を養った。

日本ハム対西武 札幌ドーム初お立ち台の宇佐見はマスコットたちに祝福される(撮影・黒川智章)
日本ハム対西武 札幌ドーム初お立ち台の宇佐見はマスコットたちに祝福される(撮影・黒川智章)

新たなユニホームで躍動した。途中出場した6月28日ソフトバンク戦、初先発した同29日の同戦では試合までにユニホームの用意が間に合わず、背番号「90」の実松2軍育成コーチ兼捕手のものを借りた。この日は自身の新背番号「30」のユニホームに袖を通し、大暴れをみせた。試合後のヒーローインタビューでファンの前でしっかりとお披露目。大歓声を浴びた。「自分のユニホームが着られるのはうれしい。30番は宇佐見と印象づけられるようにしたい」。ニューヒーローがチームを波に乗せる。【山崎純一】

(2019年7月2日、ニッカンスポーツ・コム掲載)