<日本生命セ・パ交流戦:広島7-6ロッテ>◇20日◇マツダスタジアム

広島ドラフト1位の小園海斗内野手(19)がチーム連敗ストップへの道を切り開いた。1軍昇格し、「日本生命セ・パ交流戦」ロッテ3回戦(マツダスタジアム)で1番遊撃としてプロ初出場。いきなり第1打席に左前へプロ初安打を放ち、先制劇に貢献した。ルーキーの一打で乗ったチームは9回サヨナラ勝ちで連敗脱出。鯉に新たな切り込み役が誕生した。

広島対ロッテ 1回裏広島1死三塁、西川の先制適時三塁打で生還した小園は笑顔でナインとタッチを交わす(撮影・栗木一考)
広島対ロッテ 1回裏広島1死三塁、西川の先制適時三塁打で生還した小園は笑顔でナインとタッチを交わす(撮影・栗木一考)

広島の攻撃は、小園から始まった。プロ初の打席。1回、直球2球で追い込まれてからの3球目。外角低めに落ちるフォークを粘り腰で拾った。見事なバットコントロールで左翼前にはじき返すプロ初安打に、ベンチもスタンドも総立ち。二進後、西川の右中間を割る当たりで先制。一振りで一気に熱量を上げ、湿っていた打線を目覚めさせた。

広島対ロッテ 1回裏広島無死、小園海斗は左前打を放つ(撮影・栗木一考)
広島対ロッテ 1回裏広島無死、小園海斗は左前打を放つ(撮影・栗木一考)

636試合ぶりに広島の遊撃を田中広から奪ったプロ初出場初スタメンに責任感を感じていた。「ずっと守っていたところに入れてもらったので、しっかり結果を残そう、1軍のショートとしてやろうと思っていた」。プロ初安打も2打席目以降は凡退。8回の守備ではプロ初失策も記録した。試合後は「悔しい結果になったので、これからの糧にしたい。(自己採点を聞かれ)40点」と反省が口を突いた。

白米で作られた土台

報徳学園の練習メニュー内に組み込まれた「白米を食べる」ことでどっしりとした土台ができた。野球漬けで慣れないプロの生活でも「ちょっと太くなりました」と太ももをたたいた。肉体だけでなく、技術の変化もある。2軍で打席数が100を超えた5月中旬、右足の上げる高さを抑え、無駄のないスイングを求めてやってきた。

2軍にいても「1軍で絶対にプレーするという気持ちをいつも持ち続けてきた」。強靱(きょうじん)な精神力の上に、強化された肉体と向上した技術がかみ合い、広島の高卒新人野手では90年前田以来となるプロ初打席安打の快挙が生まれた。スイングのときにバットのロゴが見えることを嫌い、見えないように普通の打者とは逆向きに握る繊細さは「孤高の天才」と呼ばれた先人と重なる。

はつらつとした動きで、重苦しい停滞感を打破。チームのサヨナラ勝ちにもつながった。緒方監督は「初打席で安打が出るんだから何か持っているよね。これから使うかどうかは別として失敗を恐れることなく、1つ1つ経験して成長していって欲しい」と目を細めた。小園のプロ野球人生は、ここから始まる。【前原淳】

▽U18高校日本代表の永田裕治監督(55=元報徳学園監督で小園の恩師) やっぱり大舞台に強いね。高校2年生の時はセンバツでもホームランを打ったし、去年の夏の甲子園でも活躍した。でも、これがプロとして当たり前。もっともっと努力して、今まで以上に努力していってほしい。

(2019年6月20日、ニッカンスポーツ・コム掲載)