米ロサンゼルス(LA)では、完全菜食主義者のビーガンが増えています。彼らの食生活は、肉や魚、牛乳やチーズなどの乳製品をとらず、野菜や果物、全粉類などプラントベース(植物性の食べ物)が中心。そのため、外食するにはビーガン専門レストランに行かなければなりませんでしたが、ようやく最近、ハンバーガーやピザ、ケーキ、アイスクリームに至るまで、気軽にビーガン向けの食事が楽しめるようになってきました。そしてこのほど、ビーガン専門の寿司店が年内、LAに到来することが報じられました。

アボカドを海苔代わりにして黒米にニンジンとキュウリを巻いたビーガン寿司

すでにグルメの最先端ニューヨークでは、ビーガン専門寿司店「ビヨンドスシ」が大人気。「寿司を超える寿司」という意味ですが、このほどABCテレビの投資番組「シャーク・タンク」で150万ドル(約1億6500万円)の資金調達を受けたことで、満を持してLAに進出すると伝えられています。現時点で詳細は発表されていないものの、オーナーのガイ・ヴァクニン氏は年内にLA近郊で3店舗オープンさせることを目標にしているようです。

LAのテイクアウト寿司店にもアボカド巻きや野菜を玄米で巻いたビーガンロールなどビーガン向けの寿司が並んでいます

ビヨンドスシは、寿司の概念を覆す全く新しい発想から生まれています。

まずはネタ。これまでは、アボカドやキュウリ、ゴボウやニンジンなどのピクルスを使った巻物が一般的でしたが、アスパラや大根、トマト、ナスやビーツ、サツマイモといった寿司ネタとしては珍しい野菜も多数使用しています。雑穀や黒豆、マンゴーなどの食材も使い、見た目もカラフルで美しいのが特徴。店内には、巻寿司以外にもライスペーパーで具材を巻いたラップ寿司やキノコをベースとしたラーメン、カリフラワーやブロッコリーを使った野菜餃子などもあり、豊富なメニューも若い世代にウケている理由です。

普通のラーメン(上)とベジタブルラーメン。ベジタブルラーメンのトッピングはチャーシューの代わりに豆腐を使い、ネギ、コーン、キクラゲ、海苔

また、だし文化が根付く和食は、ビーガンにとってハードルが高いと言われてきました。そばやうどんのように、見た目では肉や魚を使っていないものでも、つけ汁にカツオなど魚介類のだしを使っていることが多く、食べることができませんでしたが、ビヨンドスシは野菜からだしをとるなどして、ビーガンでも食べられる工夫をしています。

LAでは、日常的に食べない人でも、健康と温室効果ガス削減のために週に1回はビーガン食を食べようという「ミートフリー・マンデー」という運動も活発です。ヘルシーな寿司店によって、ビーガンが一層のトレンドになりそうです。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】