<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

30メートルほど後ろにあるプレス席でも「圧」を感じる投球だった。4月9日の巨人戦(ナゴヤドーム)。マウンドに中日大野雄大投手(30)が立っていた。

初回2死二、三塁。打席には5番陽。カウント2-0からの3球に目を見張った。148キロの直球で空振り。続く4球目も149キロにもバットは空を切った。そして5球目は150キロ。内角低めのストレートに陽は立ちすくんだ。1キロずつボルテージを上げた11年目の左腕の立ち上がり。意気込みを感じさせるには十分だった。

2年ぶりの勝利に、笑顔でお立ち台に向かう中日大野雄大(2019年4月16日撮影)
2年ぶりの勝利に、笑顔でお立ち台に向かう中日大野雄大(2019年4月16日撮影)

その日は結局、6回2失点(自責1)。11奪三振の力投も味方の援護が得られず、今季初黒星をつけた。次戦の16日DeNA戦(ナゴヤドーム)で17年以来573日ぶりの初白星。「昨年とは違う」と大野雄は言い切る。昨季は6戦0勝3敗。新人の11年以来の白星なしでシーズンを終えた。今年の大野雄の体は、引き締まっている。

今季から禁酒を続けるが、もう一つの好物も控えている。「1日3食でもOK」というラーメンだ。禁酒とラーメン封印で約5キロも体が絞られた。「体重が減って夏場にどうなるかは、これから状態を見ないといけない。たくさん食べると体には良くない。鍋のしめでは食べることもありますが、ラーメン屋さんには行ってない。控えているって表現にして下さいね」。笑いながらも結果につながっている。ラーメン屋ののれんをくぐるのは、まだまだ先になりそうだ。【伊東大介】

(2019年4月23日、ニッカンスポーツ・コム掲載)