<ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト2019(9)>

アメリカでは、商品の安全性を表す認証マークが数多くあります。数年前まで「ナチュラルフード」と言えば米国農務省(USDA)のオーガニック認定を受けた商品というのが一般的でしたが、今ではビーガン、グルテンフリー、エコフレンドリー、動物実験不使用など多岐にわたり、複数の認定を受けている商品も珍しくありません。逆に、何の認定マークもない商品がほとんど見当たらなかったのが印象的でした。米アナハイムで5日から4日間、開催された「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」の現地レポート最終第9回は「認証マーク」についてです。

1つの商品が複数の認定を受けていることも珍しくありません

Bコーポレーション認証

今エキスポで最も目立っていたのが、B Corporation(Bコーポレーション)の認証マーク。ペンシルベニア州に本拠地を置く非営利団体B Labが行っている認証制度で、「B」はBenefit(ベネフィット=利益)を意味し、商品そのものの安全性を表したマークではなく、コーポレーション(企業)の経営姿勢そのものを判断する認証です。

商品パッケージにGFと共に掲げられているBコーポレーションのマーク

環境や社会に配慮した事業活動を行っているのか、従業員や地域社会に対する企業のあり方、情報公開の透明性などの厳しい基準を満たした企業にのみ与えられています。消費者は商品の安全性のみならず、その商品を製造・販売する企業が社会的に良い会社かどうか、購買の判断基準とする時代が来ているようです。

Bコーポレーション認証は食品メーカーのみならず様々な企業に与えられています

オーガニック、GF、NonGMO

食品関係で一番多く見られたのは、やはりUSDAオーガニック認定マーク。その次に多かったのが、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質を含まないグルテンフリー(GF)と、原材料に遺伝子組み換え製品を含まないNonGMOでした。

USDAオーガニック認定だけでなく、NonGMO、グルテンフリー、ビーガンの認証を得ている商品も多数ありました

また、最近のトレンドである「ビーガン(完全採食主義)」も、世界で最も古くからあるビーガン・ソサエティーの認証だけでなく、動物性食品を含まないだけでなく動物実験も行っていない商品に与えられる非営利団体ビーガン・オーガニゼーションの認証など、複数の団体による認証マークがありました。また、旧石器時代の食生活を再現するダイエット食「パレオ」の人気に伴って、パレオ・フレンドリー(PF)の認証商品も増加。食肉の安全基準としてはグラスフェッド(ストレスのない放牧飼育で栄養価の高い牧草だけを食べて育つこと)認証なども見かけるようになりました。

0gトランス酸脂肪認証マーク(左)が入った商品も

コーシャ、ハラルの宗教的基準も

アメリカでオーガニックと並び、広く食の安全・安心の基準として使われているのが、コーシャ認証マークです。旧約聖書の戒律に基づいたユダヤ教の食の規定で、ユダヤ教徒が食べても良いとされる「清浄な食品」の認証ですが、宗教的な基準にかなっていることを示しているだけでなく、原料から高品質であるとの証しでもあります。

そのため、最近ではヘルシーで安全な食の判断基準としても用いられ、コカ・コーラやネスレなど大手食品メーカーも認証を取得。OU(世界最大のコーシャ認定団体)やOK(ニューヨークに本部がある団体)のマークが入った商品が増えています。ユダヤ教では乳製品と肉類は分けることになっているため、肉類及び乳製品を一切使っていないビーガンの場合はP(Parve=植物原料)、乳製品を使っている場合はD(Dairy=乳製品)、肉製品の場合はM(Meat=肉)をコーシャマークの横に明記する必要もあり、アレルゲンの確認としても重宝されています。

ⓀDEと表示されているのは、コーシャ認証で乳製品と肉類を含む商品という意味。PFはパレオフレンドリー認証マーク

コーシャと似ているのが、イスラム教の戒律に従って調理・加工された食品に与えられるハラル認証。日本でもようやく知られるようになったハラルですが、アメリカでは10年以上前から認知されており、米ハラル認証団体IFNCAの認証を受けた商品も多数紹介されていました。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】