楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)が17日、ロッテとの練習試合で実戦初安打となる「プロ1号」を放った。マルチ安打も記録し、片りんをのぞかせた。

楽天対ロッテ 2回裏楽天無死二塁、左越え2点本塁打を放つ辰己(撮影・足立雅史)
楽天対ロッテ 2回裏楽天無死二塁、左越え2点本塁打を放つ辰己(撮影・足立雅史)

「学生の時は正直ダントツでうまかったので、抜いたり、自分に甘えたり、周りに合わせる部分があった」。プロの厳しい世界に飛び込んだ辰己が過去の自分を戒めているのだが、なかなか大胆な発言だと思う。「ビッグマウス」と形容されることも少なくない。「1年目から143試合フルイニング出場」「2000安打で名球会入り」。1月に掲げた目標も、開幕スタメンは織り込み済みだった。

楽天対ロッテ 2回裏楽天無死二塁、勝ち越しとなる左越え2点本塁打を放った辰己(左)は笘篠コーチとタッチを交わす(撮影・滝沢徹郎)
楽天対ロッテ 2回裏楽天無死二塁、勝ち越しとなる左越え2点本塁打を放った辰己(左)は笘篠コーチとタッチを交わす(撮影・滝沢徹郎)

強気に聞こえる言動の数々は、全てを野球にささげている自信の裏返しでもある。練習漬けのキャンプは「一日中、好きな野球ができる。楽しくて仕方ない。ストレスもたまらないから、リラックス法を考える必要もないです」と真顔で言う。

この日は取材を終えて車に乗り込むと、おもむろに菓子パンを食べ出した。太りにくく、やせやすい体質を気にしてバッグにしのばせているのだ。全ての瞬間をレベルアップに費やす。大学日本代表でも同僚だった渡辺佳は「辰己は大舞台になればなるほど強い」と証言する。練習試合の活躍は序章にすぎない。【楽天担当 亀山泰宏】

(2019年2月17日、ニッカンスポーツ・コム掲載)