昨夏の甲子園の新潟県代表・中越の坂井翔太遊撃手(3年)が今春、関甲新学生野球1部の新潟医療福祉大に進学する。走攻守そろった好素材として甲子園でも注目された逸材は、プロ入りを目指していたが、昨秋のドラフト会議では指名がなかった。大学で腕を磨き、4年後のプロ入りを目指す。

新潟医療福祉大に進学する坂井。入学まで後輩たちにまじって練習に励む
新潟医療福祉大に進学する坂井。入学まで後輩たちにまじって練習に励む

新潟医療福祉大で即戦力目指す

坂井は決意を固めて新潟医療福祉大に進む。「即戦力になりたい。春季リーグ戦でのベンチ入りを目指す」。昨年12月27日に合格通知を受けた。年が明けて7日から練習を開始。大学に合流するまで、後輩たちの練習に入り調整を続ける。

同大1年の兄琢真(19)からは「内野はどこでも守れるようにしておけ」とアドバイスされた。昨秋から体重が3キロ増えて76キロに。体作りを目的に1日7食を取っている。「合流するまで80キロ以上にしたい」。さらに増量し、3月に予定されているキャンプには万全の状態で入るつもりだ。

新潟医療福祉大に進学が決まった中越・坂井
新潟医療福祉大に進学が決まった中越・坂井

ドラフト指名漏れから心機一転

昨秋、プロ志望届を提出して、ドラフト会議での指名を持った。10月には広島の入団テストも受けた。だが、名前は呼ばれなかった。「悔しくて、しばらく引きずった」。気持ちを切り替えられたのは、期待の大きさを感じたからだった。

中越の本田仁哉監督(42)には「目標の高さ、大きさを変えずに挑戦してほしい」と励まされた。本田監督を通じて、同大の佐藤和也監督(62)から「4年間挑戦してくれることをうれしく思う」とメッセージをもらった。「ここからが勝負」。周囲の後押しに、坂井のモチベーションは高まった。

走攻守そろった好素材

3番・遊撃手として、中越では絶対的な存在だった。昨春の県大会・村上桜ケ丘戦では2本塁打。2年ぶり11度目の甲子園出場を決めた昨夏の県大会は、打率4割1分7厘、1本塁打。甲子園では1回戦で慶応(神奈川)に敗れたが、堅守と美技で観客席を沸かせ、関係者から注目された。走攻守そろった好素材。本田監督は「私が見た中で、最高の内野手」と潜在能力の高さに太鼓判を押す。

新潟医療福祉大からは16年・中日ドラフト4位指名の笠原祥太郎投手(23)、昨秋のオリックス育成1位指名の漆原大晟投手(22)の2人がプロ入り。先輩たちの存在を意識し、「大学では首位打者を取りたい。そのくらいじゃないと、ドラフトで指名されない」。自身にノルマを課し、目標を追う大学生活が始まる。【斎藤慎一郎】

坂井翔太(さかい・しょうた) 2000年(平12)11月25日生まれ、新発田市出身。紫雲寺小2年から野球を始める。紫雲寺中では新発田シニアに所属。3年の春に全国大会に出場した。中越では1年の秋からレギュラーの遊撃手。好きな選手はエンゼルスのアンデルトン・シモンズ内野手、広島菊池涼介内野手。174センチ、76キロ。右投げ右打ち。

(2019年1月9日、ニッカンスポーツ・コム掲載)