あまり知られていないかもしれないが、高校ラグビーでは女子選手も“聖地”でプレーすることができる。27日、全国高校ラグビーフットボール大会の開会式の後、「U18花園女子15人制」の試合が行われ、東軍・西軍に選ばれた22人の選手が20分ハーフで戦うのだ。

2016年リオデジャネイロ五輪で7人制が正式競技に採用され、注目が高まる女子ラグビー。秋に行われたアジア女子セブンズシリーズに日本代表として出場した期待の新星、永田花菜選手(福岡高3年)は、WTBとして2年連続で西軍メンバーに選ばれたが、ケガのため出場を辞退した。花園のピッチには立たないが、2020年東京オリンピック出場を目指し、体作りとトレーニングを積んでいる。

東京オリンピック出場を目指す永田花菜選手

5歳からラグビーを始め、小4からはサッカークラブにも入り、中学卒業までラグビーとサッカーを両立してきた経験を持つ。福岡高では、男子ラグビー部員と一緒に練習している。

福岡高には女子部員が2人いる。永田選手(左)にとって林かんなさん(2年)は技術を高め合う良きパートナーだ

男子と同じルールで、同じ練習量をこなす永田選手のポテンシャルについて、原雅宜監督(41)は「特に足が速いというわけではないけれど、スポーツが万能で、ラグビーのセンスが特に高い。代表に選ばれたことで、今年はプレーに自信をつけてきたようにも感じます。スポーツで培った負けず嫌いな性格も、彼女の魅力の1つですね」と評価した。

普段、一緒に練習する男子部員も支えになっている

毎日体重と食事内容をチェック

日本代表入りをきっかけに食事への意識が高まり、生活習慣も変わった。「今年の春からは、代表チームの担当者に毎日の体重と食べた物の写真をメールで送って、専門の管理栄養士さんからアドバイスをもらっています」。世界で通用するアスリートになるため、食事内容も変わってきた。

「自分は増量組なので『もっと炭水化物を摂って下さい』と言われています。(身長168cmで)50kgだった体重が、56kgまで増えました。目標は60kgキロです」。

「小食で、あまり多くを食べられない」のが悩みの永田選手。巻き寿司などにして炭水化物を摂るよう努力している

増量のコツを詳しく聞くと「毎日3食のほかに、おにぎりを3個、練習前後に補食としてとっています。プロテインは1日2回。練習の後と夕食の3時間後に飲んでいます。毎日8時間は寝るようにと言われているので、夜のプロテインを飲んだらすぐ寝ます。始めたころは、おにぎりとプロテインの補食はおなかがいっぱいになって苦しかったけど、次第に慣れました」。

フルーツはキウイを選ぶことが多い。好物のオムライス(ケチャップなし)ではご飯が進む

まずは運動量に見合ったエネルギー量を確保するため、ご飯などの炭水化物をしっかり摂り、タンパク質も補給して筋肉量をアップさせる。「当初は、増量するとプレーのスピードが落ちないか、と抵抗がありましたが、筋力をつけることでよりスピードが出ると分かって不安がなくなりました」とアスリートとして食意識を改革。「増量で体形が変わり、ジーンズが入らなくなりましたけど、筋力アップの方が大事です」と屈託なく話した。

毎日のお弁当は、補食のおにぎり3個をプラス。練習の前後にとり、空腹時を作らないよう心がけている

代表戦でニュージーランドなどの海外女子選手と対峙(たいじ)し、体格やプレーを間近で見たことも大きな刺激となった。外国人選手に勇気をもってタックルをするために「強い体は女子も必要だということを痛感した」と言う。

卒業後は女子ラグビーの強豪・日体大に進学予定で、初めての寮生活を送ることになる。目標とする選手は「ブラックファーンズ(ニュージーランド女子代表)の選手」。根っからのラグビー女子は、食トレを継続し、世界で戦える選手になる。【樫本ゆき】

福岡高ラグビー部 1924年(大13)創部。県立福岡中(旧制中)時代を含め、全国大会は県最多の出場37回。優勝3回、準優勝3回。国体優勝2回。福岡県福岡市博多区堅粕1-29-1。杉山英明部長、原雅宜監督。合屋伸一校長。主なOBは日本代表の福岡堅樹(パナソニックワイルドナイツ)。