<アスリートの摂食障害(9)>

スポーツ界における摂食障害が社会問題にもなっているアメリカでは、専門家チームを作って学生アスリートと向き合う大学もある。テキサス州カレッジステーションに本部を置く州立大学、テキサスA&M大は、選手に正しい知識を身につけさせるため、専門家を中心とする摂食障害委員会を設立して厳しいガイドラインを定めている。

委員会の構成メンバーは、チームの医師、トレーナー、コーチ、運営責任者、栄養士、臨床心理士ら。学生アスリートに正しい情報を与えて教育した上で、栄養や心理面をサポートする。摂食障害の危険性のある選手は、治療するとともに経過観察するなど積極的に支援する一方で、治療を怠った場合、厳しいペナルティも設けている。

大学スポーツが非常に人気のあるアメリカでは、選手を守る体制も進んでいる(写真はサンディエゴ州立大学の野球場)

テキサスA&Mの主なガイドライン
委員会のメンバーは摂食障害の疑いのある学生に対して医師の診断を受けさせる義務があり、医師は診断の結果に従って、委員会のメンバーに適切な支援や治療を求めることができる。

選手自らがチームの医師やトレーナーに助言を求めることができ、医師の診断を受けることができる。

医師は臨床心理士のカウンセリングや栄養士の指導内容を参照することができ、継続的なカウンセリングを求めることができる。

競技生活を続けられるかどうかは医師が判断する。選手がチームから離脱したり、学校を休んだりしていた場合、トレーニング復帰するには身体検査が必要となることもある。

摂食障害チームによる治療計画を必ず守らなければならない。計画に従わない学生はスポーツへの参加が認められず、奨学金を失う可能性もある。

ここまで手厚くサポートする大学の体制は素晴らしいものだが、ここまでの強制力を持って対応しなければならないほど、摂食障害は怖い病気であるとも言える。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】