<全国高校野球選手権:高岡商5-4佐久長聖>◇13日◇2回戦

 高岡商(富山)が初の「夏2勝」を手にした。プロ注目の148キロ左腕・山田龍聖投手(3年)が9安打4失点完投で、1点差勝利をもたらした。

 最終回は絶体絶命だった。2死一、二塁。「ここまで来たら気持ちしかない」。この日最速の144キロ直球で、佐久長聖の3番上神を空振り三振に仕留めた。

佐久長聖対高岡商 9回表佐久長聖2死一、二塁、上神を空振り三振に仕留めた高岡商・ 山田は全身で喜びを爆発させる(撮影・滝沢徹郎)
佐久長聖対高岡商 9回表佐久長聖2死一、二塁、上神を空振り三振に仕留めた高岡商・ 山田は全身で喜びを爆発させる(撮影・滝沢徹郎)

 7日の佐賀商戦は両足ふくらはぎがつり、7回で降板した。宿舎で栄養士に渡された資料を見て、対策を練った。翌朝の食事からみそ汁を2杯にした。おかずは「濃いもの」を選び、塩分補給。この日はベンチで経口補水液を500ミリボトル3本分飲み、147球目で最高の球を投げた。

佐久長聖対高岡商 9回表佐久長聖2死一、二塁、上神を空振り三振に仕留め、ジャンプして雄たけびを上げる高岡商・ 山田(撮影・滝沢徹郎)
佐久長聖対高岡商 9回表佐久長聖2死一、二塁、上神を空振り三振に仕留め、ジャンプして雄たけびを上げる高岡商・ 山田(撮影・滝沢徹郎)

 3回戦の相手は大阪桐蔭。「挑戦者としてぶつかりたい。僕らの目標は日本一ですから」。合言葉は「最攻挑(さいこうちょう)」だ。昨夏、みんなが好きな字を出し合った「最高潮」の造語。優勝候補に攻めて、挑む。エースに迷いはない。【加藤裕一】

(2018年8月14日付日刊スポーツ紙面掲載)