神奈川県横浜市の少年野球チーム大岡藤ノ木スワローズでは、昨年11月から練習中の補食を取り入れています。保護者の過度な負担にならない工夫をしながら、体作りに取り組んでいます。大きく強い体に成長していくため頑張って食べている小学生の姿を紹介します。

補食タイムに笑顔を見せる大岡藤ノ木スワローズの選手たち

終日練習は補食タイム2回

 気温35度を超える猛暑の中、少年たちの歓声が響いた。大岡藤ノ木スワローズが練習を始めてから1時間が過ぎた午前10時、保護者たちが日よけテントの下におやつを並べ始めた。一口サイズのカステラ、バナナ、はちみつに漬けたレモンの輪切り、オレンジジュース。すべて並べ終わると、選手たちが笑顔で集まり食べ始めた。早い昼食ではない。昨年11月から始めた補食タイムだった。終日練習では午前10時と午後3時に取り入れている。

一口サイズのカステラ

はちみつに漬けたレモンの輪切り

 食べている最中の選手たちに感想を聞くと「おいしい!」「これが楽しみ!」「楽しくておいしい時間」と、元気な声が次々に上がった。コーチにレモンの輪切りを口に入れてもらったり、バナナを口いっぱいにほおばって笑いをとる子がいたりと、練習中よりも? 盛り上がっていた。

コーチからレモンの輪切りを口に入れてもらう

 補食導入をリードしたジュニアチーム(4年生以下)の五ノ井隼人監督(43)は「体を動かして失ったエネルギーの補充です。休憩時間にもなって、体も気持ちもリセットできます」と話す。近年、好き嫌いや、あまり量を食べられない選手が多くなった。ただ、強制的なドカ食いでは食事が苦痛になってしまう。いかに効果的に栄養をとるかが重要になる。

 昨年11月、SNSや講習会を利用して野球の指導を勉強するグループ「ベースボール・コーチング・アカデミー」の寺澤恒校長(51)に講義を依頼し、保護者を含めたチーム全体で補食を学んだ。寺澤氏は「運動に必要なエネルギー、いわゆる糖質が不足すれば、体は筋肉や骨を分解してエネルギーを確保しようとします。そうすると筋肉をつけるためのトレーニングが逆効果になってしまいます」などと、補食の必要性を説明。スワローズはすぐに取り入れた。

お茶当番廃止しコンビニ活用

 ただ、平戸明彦総監督(58)は「保護者に過度な負担はかけたくありません。うちはお茶当番なども廃止していますから」と言う。負担にならない補食ということで、コンビニエンスストアで低価格で購入できる範囲から選んでいる。この日のメニューの他、果汁100%のアイスや、せんべい、アンドーナツ、アメなどを出してきた。なお、昼食はおにぎりが基本で、具には梅干しやサケなどの定番だけでなく、肉も取り入れている家庭も多い。

昼ご飯におにぎりを食べる選手たち

 山田翔也選手(5年)は「練習中に食べると体力が回復して元気が出ます。昨年から10キロも体重が増えました」。山田啓翔選手(同)も「楽しい時間です。ボクも身長が伸びたと言われます」と話した。五ノ井監督は「正直まだ効果は分かりませんが、子供たちは喜んで食べています。休憩することで集中力は高まっているかな。選手たちの今後のためにも続けていきたいと思います」と話していた。【飯島智則】

ベースボール・コーチング・アカデミー フェイスブックを使って指導方法の紹介や意見交換を行い、時には講習会や会合を開いているグループ。選手を怒鳴る指導の撲滅を目指してもいる。代表の寺澤氏は18年間、中学野球部の監督を務めるなど指導歴は30年に及ぶ。同氏はアカデミーの目的について「全国には、旧来の野球指導に疑問を持っていたり、困っている指導者や親御さんがたくさんいると思います。困っていても点在しているから結束できない。じゃあグループを作って、練習方法や指導方法の情報交換をしようと。そういう目的です。現在2900人を超える会員がいますが、1万人を目標にしています」と説明している。講習会は不定期だが、全国各地で開催している。

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(2018年8月9日付日刊スポーツ紙面掲載)