平昌五輪(ピョンンチャンオリンピック)のフィギュアスケート女子は21日から行われる。2大会ぶりに五輪出場した長洲未来(24=米国)は団体の女子フリーで伊藤みどり、浅田真央に続く五輪史上3人目となるトリプルアクセル(3回転半)を決め、チームの銅メダルに貢献。個人戦での活躍も期待されている。

平昌五輪のフィギュアスケート団体で、女子フリーの演技を終えてガッツポーズする長洲未来(撮影・山崎安昭)
平昌五輪のフィギュアスケート団体で、女子フリーの演技を終えてガッツポーズする長洲未来(撮影・山崎安昭)

 長州は米国生まれの日系2世で、日本人の両親はロサンゼルス郊外で寿司店「きよ鈴(KIYOSUZU)」を営んでいる。子供の頃は両親の仕事が終わるまで、店の奥の納戸で寝て待っていたという。

長洲未来の両親が営む寿司店「KIYOSUZU」の外観
長洲未来の両親が営む寿司店「KIYOSUZU」の外観

 「父(清人さん)はとてもクリエーティブな人間で、家族でも意味が分からないようなユニークなお寿司を考案する」と長州は話す。1992年アルベールビル五輪で金メダルを獲得したクリスティー・ヤマグチさんが来店した際には、あるひらめきから「未来ロール」と名付けた巻きずしを考案。マグロ、明太子、アボカド、エビのてんぷらを使った巻き寿司は、正式メニューには載っていないものの、裏メニューとして常連客らに親しまれている。

日本の寿司屋のような「KIYOSUZU」
日本の寿司屋のような「KIYOSUZU」

 今五輪前には長州を応援するため「オリンピック・ロール」を考案。トビコとホタテを巻き、上にスライスしたサーモンを乗せてあぶった人気メニューで、「未来ロール」と合わせて注文するファンが後を絶たないという。

 いつもは仕事が忙しくて応援にかけつけられなかった両親だが、今大会は初めて長期の休みを取り、会場で見守る。両親の前で、長州はメダル獲得に向けて気迫のこもった演技をするだろう。

個人戦でメダル獲得を目指す長洲未来
個人戦でメダル獲得を目指す長洲未来

好物はジャンクフード

 シーズン中はヘルシーな食事をしている長州。7時に起床し、学校で授業を受けた後、午前11時からトレーニングを行い、ランチは自宅に戻ってサンドイッチを食べる。午後からの練習の合間には補食としてヨーグルトを食べ、夕食はステーキと野菜のコンビネーションが主。時にピザを食べることもある。

 しかし、好きな食べ物はチーズバーガー、ポテトチップス、アイスクリームといったジャンクフード。小学生の頃、両親のレストランでグリーンティーアイスクリームをねだり、みかねた父清人さんがアイスクリームに見立てたワサビを山盛り出したという逸話もある。今でもシーズンが終われば、勉強の合間に大好きなスナック菓子を食べ、ハンバーガーショップに行くこともあるという。2大会ぶりの五輪も、良い意味での息抜きがあったからこその復活出場だ。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】