<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇22日◇東京・両国国技館

 WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が14戦全勝全KOで初防衛に成功した。同級5位トマ・マソン(27=フランス)を7回にとらえてダウンを奪取。同回1分10秒、レフェリーストップのTKO勝ちをおさめた。

タイトル防衛に成功しラウンドガールと勝利を喜ぶ比嘉(中央左)と具志堅会長(撮影・中島郁夫)
タイトル防衛に成功しラウンドガールと勝利を喜ぶ比嘉(中央左)と具志堅会長(撮影・中島郁夫)

 ボクサーにとって減量は大きな“仕事”の1つだ。今回も10キロ近く体重を落とさなければいけなかった比嘉は、精神的につらい時に必ず「ある動画」をチェックする。

 特にのどの渇きや空腹に苦しんで眠れない夜は、コーラの一気飲みや大食いの動画を長時間、視聴しているという。比嘉は「あれをみていると、まるで自分が飲んだり食べたりした気持ちになるんですよ」と真顔で言う。

 選手によって減量方法も人それぞれだが、普通ならばおいしそうな食事や飲料水を目にすれば、逆に欲求がわいてしまうのではないか…と心配になる。ジム内でも「ドM(マゾ)」と苦笑されている独特な発想だが、比嘉は「それで満足して眠ることができるんです」とニヤリ。師匠となる具志堅会長の弟子らしく、発想豊かな比嘉のマネは誰もできないだろう。【藤中栄二】

(2017年10月23日付日刊スポーツ紙面掲載)