男子プロバスケットボールBリーグの千葉ジェッツに所属する石井講祐(こうすけ、29)。182センチ、83キロの体格や身体能力はプロバスケットボール選手としては普通だが、練習生から正式契約を勝ち取り、昨年、遅咲きのブレークを果たした。その土台となっているのが、コート上だけでなくプライベートな時間の多くをパフォーマンス向上に捧げる、徹底したプロ意識。栄養面でのそれも、例外ではない。ここ1~2年続けているという食のスタイルを、石井に語ってもらった。【取材・構成=青木美帆】

1日1500グラムのご飯

 プロバスケットボール選手として、僕は小さい部類に入るので、体重を増やして接触に強くなり、スタミナをつけることをテーマに食事をとっています。チームの多田我樹丸トレーナーや、個人的にサポートしてもらっている食アスリート協会の米澤恵里さんのアドバイスで、特に炭水化物を多くとることを意識しています。

3食ともに雑穀米、具だくさんみそ汁、おかずという献立。朝は目玉焼きとフルーツ、夜はヨーグルトがつく

 ご飯の量は1日1500グラム(普通茶碗で10杯)が目安。朝と昼に300グラムずつ食べ、その間も補食で軽く食べて、練習後や試合後に200グラムくらいのおにぎりを食べて、夜は400グラムということが多いです。

雑穀米・具だくさんみそ汁・肉か魚

 食事は3食とも、ご飯とみそ汁が基本です。ミネラルやビタミンが補える雑穀米と、ブロッコリーや小松菜、カボチャなど緑黄色野菜がとにかくたくさん入ったみそ汁。みそに含まれる大豆と米の組み合わせは栄養を補い合う意味でもいいみたいですし、調理して流れ出てしまう野菜の栄養素も、みそ汁ならそのままとれます。

 これに、肉か魚のおかずがつくという食事をオンオフ関わらず、ほぼ1年中続けています。僕は飽きたり、苦痛だと思ったことはありませんが、妻は違うものを食べたくなるみたいで、先日は1人でホットケーキを食べていました(笑)。

 お茶は、含まれるカフェインやタンニンが鉄の吸収を阻害するというので、飲み物は常温の水か濃縮還元していないオレンジジュース。牛乳は飲みません。乳製品は夜にヨーグルトをとるくらいです。

自分に合う食事スタイルを

 食事を今のようなスタイルにしたのはここ1~2年のことですが、目に見えて違いが出ています。まず体温。僕は平熱が低くて35度台だったんですが、食事を変えてからは36度台に落ち着きました。体重も順調に増えていますし、体つきや持久力トレーニングの結果もよくなってきました。

練習時だけでなく試合日も、奥さんお手製のおにぎりを欠かさない。具は疲労回復と傷みにくさを考慮して梅干し

 食事には以前から関心を持っていたので、本などを読んでグルテンフリーや糖質制限なども試してみました。ただ、僕にはちょっと合わなかったですね。今はいろいろなところで食事に関する情報を得られますが、「自分に合う・合わない」の判断材料の1つとして、体調の変化に敏感になってみるのもいいかなと思っています。

 例えば僕は、体重、体温、脈拍、血圧を毎日測って記録しています。疲れているときは脈拍が高くなるし、食事が運動量に追いついていなければ、もちろん体重は減ります。

ルーティン生活で体の変化に気付く

 生活をルーティン化するのも1つかもしれません。食事もそうですが、僕はルーティンが性に合っているみたいで、いつもと違うことをすると気持ち悪く感じ、結果が出なくなるタイプなんです。

 試合のない日は以下のような流れです。

・起床
・朝食
・トレーニング
・昼食
・30分ほど昼寝
・チーム練習
・補食
・ケア
・帰宅
・夕食
・入浴
・ストレッチ
・ノート記入
・就寝
は食事)

 ストレッチにもルーティンがあります。寝る前はあまり光を浴びないほうがいいと聞くので、部屋を薄暗くするかアロマキャンドルの灯りだけにして、リラックス効果があると言われている「1/Fゆらぎ」の音楽を流しながら行います。ちょっとやばい感じですけど…(笑)。その後、1日の振り返りをノートに書いて、寝ます。

 こうやって生活を習慣化すれば、変わるのは食事の部分だけなので、ちょっとした体の変化にも気付きやすくなると思います。

栄養面でも徹底した自己管理をする千葉ジェッツの石井講祐

Bリーグ王者に向けて「シュート打つ」

 昨年は天皇杯(全日本総合選手権)で優勝して1つ目標を達成できましたが、リーグのチャンピオンには届きませんでした。昨季からコーチもメンバーもほぼ変化がなく、新しい選手たちもいい相乗効果を出してくれているので、観客のみなさんに楽しんでもらえるバスケットをしながらしっかり結果を出して、リーグ優勝をとりたいです。

 個人的にはもっとアグレッシブさを追求します。去年も積極的にシュートを狙えていましたが、今季はもっと貪欲に「シュートを打つ」ということにこだわっていきたいです。

石井講祐(いしい・こうすけ)

1987年9月29日生まれ、千葉県船橋市出身。東海大卒業後はサラリーマンをしながら競技を続けていたが、一念発起して千葉のトライアウトを受験。2013-2014年シーズンより練習生契約でチームに加入し、同年1月に正式契約を結んだ。180センチ、83キロ。ポジションはシューティングガード。