WBA世界スーパーバンタム級王者久保隼(27=真正)が29日、同級2位ダニエル・ローマン(27=米国)との初防衛戦(9月3日、島津アリーナ京都)を前に練習を公開した。同ジムの山下正人会長(55)相手のミット打ち、ジム仲間とのマスボクシングなど軽めのメニューながら、軽快な動きで順調な仕上がりぶりを披露した。

公開練習で山下正人会長のミットにパンチを打ち込むWBA世界スーパーバンタム級王者の久保隼(撮影・前田充)
公開練習で山下正人会長のミットにパンチを打ち込むWBA世界スーパーバンタム級王者の久保隼(撮影・前田充)

 王座を奪取した4月の世界戦から取り入れた、カロリー計算を踏まえた減量法。専業主婦顔負けのフットワークで、多いときはスーパーマーケットを7軒回り、白身魚のタラの切り身、鶏の胸肉などの具材を買い、オリジナルの丼を作って食べてきた。現在は「走り終わりに測って、リミットまで2キロを切ってるぐらい」(久保)だという。

 27日に、ジムの弟分、山中竜也(22)がWBO世界ミニマム級王座奪取に成功した。テレビ中継がなかったこともあり、久保は散髪しながら、スマホで現場からの情報をチェック。結果は3-0判定勝ちだったが、7回終了ぐらいで「勝つと思った」と勝利を確信したという。

公開練習前の会見で笑顔を見せるWBA世界スーパーバンタム級王者・久保隼(右)と真正ボクシングジム・山下正人会長(撮影・前田充)
公開練習前の会見で笑顔を見せるWBA世界スーパーバンタム級王者・久保隼(右)と真正ボクシングジム・山下正人会長(撮影・前田充)

 「竜也は試合後、僕に向けて“楽しんで”と言ってくれた。僕が竜也に言ったこと、そのままです。でも、本当にそうやと思う」と、自分も続く意気込み十分だ。「会長と積み上げてきたことをちゃんと出して、自分のスタイルを貫きたい。それが出せないようやと、次につながりませんから」。内容の濃い戦いで、初防衛に成功することを誓っていた。

(2017年8月29日、ニッカンスポーツ・コム掲載)