うだるように暑い。ましてやヤクルトの本拠地は屋外の神宮球場。滝のように汗がしたたる。だが選手たちは試合を連日こなし、パフォーマンスを維持し続けている。どうやって夏バテを防止しているのだろうか。ファンの皆さんも参考になるかもしれません。

食の細い山崎は「頑張って食べる」

ヤクルト山崎晃大朗外野手
ヤクルト山崎晃大朗外野手

 ヤクルト山崎晃大朗外野手(24)はプロ2年目。7月25日から中堅手としてスタメン起用が増えてきた。「1軍の疲れ方は違います…。注目されるし、緊張感がすごい」。173センチ68キロと細身で「一般男性よりも食べられないんです」と食が細い。ましてや夏となれば食欲が落ちるため、放っておけば体重も落ちてしまう。「だから一生懸命食べます。合間を見つけてはとにかく口に入れて、食べる。じゃないと持ちません」と練習の合間や時間を見つけてはプロティンバーやゼリーを食べて体重維持を心がける。「夏だから一生懸命食べる。夏バテ防止はそれですね」と話す。

ベテランは胃袋も強化?

 夏場に食欲が上がるタイプもいる。ベテランの大松尚逸内野手(35)はその1人。「食べられる選手は良い選手というからね」と春先よりも食事量が増えるという。気温が高くなるにつれて汗の量も増加。そのため「汗をかいている分、味が濃いモノがほしくなる」と塩分補給を兼ねてしょっぱいおかずをお供に白米をワシワシと食べる。「たくさん食べて、寝る。これが夏バテ対策かな」と胸を張る。

ヤクルト大松尚逸内野手
ヤクルト大松尚逸内野手

 武内晋一内野手(33)も「夏バテしないよ」と話す。「体重がある人は逆に増える。そういう素質があるんだよ」。なるほど、1軍にいると胃袋も強化されていくようです。

飯原、近藤は湯船につかる

 食べる以外に多かったのはお風呂での対処法。飯原誉士外野手(34)は「自分は朝6時には起きて1時間くらい湯船につかる。汗を出して、体を起こすんだよ」と話す。1日の始まりに体を温めることでしゃっきりと1日を過ごせるという。「大体30歳前くらいから始めたけど、疲れをとるために良いよ」とオススメする。

 ブルペン陣の要、近藤一樹投手(34)も「夏バテ対策を強いてあげるならば、お風呂に長くつかること」と話す。こちらは「ヒートショックプロテイン入浴」という方法を実践。40度のやや低めの温度に20分間入るというものだ。体に熱が加わると傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質が増えるらしく「ぬるすぎず熱すぎずの温度にはいることで、体幹、体の芯をじんわりと温めるんです」。これによって免疫力も上がるそうだ。重要視するのは体の芯を冷やさないことで「半身浴でもいいし、全身温めるのもいい」と説明する。

 プロ野球選手のケアを聞くと実践できそうなことは多い。対処法は人それぞれですが、暑い夏を乗り切りましょう。【ヤクルト担当=島根純】

(2017年8月17日、ニッカンスポーツ・コム掲載)