柔道の世界選手権(28日開幕、ブダペスト)男子100キロ超級代表の王子谷剛志(25=旭化成)が15日、都内での強化合宿に参加し、戦闘態勢に入った。約2週間後に迫る初の大舞台に向けて「順調にきている。少し硬さも感じるが覚悟を決めて臨む。前に出る柔道を貫き、全日本王者が強いことを証明したい」と意気込んだ。

サーキットトレーニングで25キロの重りを持ち上げる王子谷(撮影・峯岸佑樹)
サーキットトレーニングで25キロの重りを持ち上げる王子谷(撮影・峯岸佑樹)

 今月上旬の宮崎県延岡市での合宿後は、大好きな焼き肉と温泉を求めて愛知県半田市を訪れた。インスタグラムで探し当てた“名店”は大正解。半田牛とご飯4杯を食べて、リフレッシュした。「うまい食事はエネルギーの源」と表現するように、稽古したらおいしい食事をするのが王子谷流だ。

 しかし、本番が近づくにつれて、緊張からか「少し硬さを感じる」とし、「食事量が減っている」とも告白した。先月、食べ過ぎで体重が148キロまで増量。夏場の稽古は1日で4キロ前後減量するとし、ベストの142キロまでは「1週間あれば問題ない」と順調な減量もアピールした。

サーキットトレーニングで20キロの重りを持ち上げる王子谷剛志(左)。右は井上監督(撮影・峯岸佑樹)
サーキットトレーニングで20キロの重りを持ち上げる王子谷剛志(左)。右は井上監督(撮影・峯岸佑樹)

 世界選手権7連覇中のテディ・リネール(フランス)対策は「感覚」を重要視する。映像に頼らず、国際合宿の乱取りで得た感覚で勝負する。「(相手の)戦い方も変化しているし、まずは自分の柔道をしないと何も出来なくなる。強いのは分かっているし、チャンスをモノにするのは自分次第」と気を引き締めた。

 この日は、25キロの重りを持ち上げたり、腕立て伏せなどを時間内で繰り返すサーキットトレーニングを行い、心身を追い込んだ。

(2017年8月15日、ニッカンスポーツ・コム掲載)