最近話題になっている完全栄養パスタ「BASE PASTA」。このたび、プロ野球DeNAも取り入れた生パスタはどういったものか? 「完全栄養」とは何か? アスレシピ編集部が調査した。

ゆで時間2分、値段・食感リッチ

 まずは食べてみなければ、分からない。ということで、1食からの購入が可能なAmazonで2つ購入した。1パック650円、送料含め税込み1650円。通常売られている乾麺なら1人分100円以下だから、かなりリッチな買い物だ。

BASE PASTAのパッケージ表面。ベースフード(株)公式サイトの定期購買では、1食500円(送料含め税込み)で購入できる
BASE PASTAのパッケージ表面。ベースフード(株)公式サイトの定期購買では、1食500円(送料含め税込み)で購入できる

 翌日には自宅に届いたので、早速作ってみた。麺は茶色の平麺。ゆで時間はわずか2分。あっという間にゆであがり、ソースを絡めたら食べられる。非常に手軽だ。

 いつもなら、これにサラダなど1、2品加えて栄養バランスを整えるのだが、このパスタは「厚生労働省が定めた基準に従い、1食に必要な31種の栄養素が全て含まれている」とある。バランスの良い食事は「主食+主菜+副菜+汁物+果物+乳製品」を揃えることだが、主食だけでそれらの栄養素を含んでいるなら、非常に簡単だ。

 味は普通においしい、いや、かなりおいしい。よく味わってみると、多少苦みが残るが、これは全粒粉の味。麺に練り込まれている黒い粒は、チアシードだろう。もちもちした食感もいい。脂質の少ないソースにすれば、ヘルシー食にもなりそうだ。

BASE PASTAを使った生ハムとアスパラのクリームソース
BASE PASTAを使った生ハムとアスパラのクリームソース

1食分の必要な栄養素満たす

 おいしくて栄養価も高い「BASE PASTA」にさらなる興味が沸き、ベースフード(株)の代表取締役、橋本舜氏に話を聞いた。

ベースフードの代表取締役橋本舜氏
ベースフードの代表取締役橋本舜氏

 「完全栄養食品」としていても、橋本氏はこれだけを食べていれば心身ともに健康になるとは考えていない。「すべての食事をこのパスタに置き換える人はいないでしょう。健康や栄養バランスを意識する人が増えている一方、多忙や疲労で料理をする時間が作れない人がいる。そんな方に手軽に利用してもらえればいいと思っています」。サプリメントは、あくまでも栄養補助食。腹を満たすためにジャンクフードをとるのではなく、栄養価の高い食事、特に主食をとってほしいという思いがある。

 食品表示基準に基づき(18歳以上、基準熱量2200Kcal)、1日の3分の1、つまり1食分の栄養素は、小麦粒粉をベースにチアシードやビール酵母、ビタミンAやCなどの栄養強化剤を配合することで満たされている。全粒粉を使うことで食物繊維などが増え、結果的に糖質を減らすこともできたという。

BASE PASTAのパッケージ裏面には1食(145g当たり)の栄養成分表示がびっしり書かれている
BASE PASTAのパッケージ裏面には1食(145g当たり)の栄養成分表示がびっしり書かれている

 橋本氏は、このパスタを「ブレンドパスタ」とも表現した。発想としては「具だくさんみそ汁」。みそ汁という料理の中には、さまざまな具が入っており、それによって味わいが深まり、栄養価も高まる。「パスタの中にさまざまな栄養素を含んだ食品やその粉末を練り込み、健康バランスがとれるようにしたものと考えていただければ」と話した。

 栄養面は管理栄養士、味わいや食感などはレストランのシェフらと協議し、試作を重ね、商品化にこぎつけた。2016年10月、生産・販売するためのクラウドファンディングを橋本氏1人で始め、現在、社員6人。Amazonと自社で通信販売をしているが、購入者は日々増えており、「継続率は8割を超えている」(橋本氏)という。データから週2、3回の頻度で利用している人がいると見ている。

DeNAは1軍試合前、寮の食事

 そんな健康と食への思いが、プロスポーツ界へも届いた。

 プロ野球のDeNAは2カ月間のトライアルを経て、「BASE PASTA」を5月に正式採用。バイキング形式でとる1軍ホーム試合前の食事メニューの1つとして、また青星寮(選手寮)の食事として提供されている。選手、監督らが個人で購入し、自宅で食することもある。

 球団管理栄養士の小泉智子さんは「試合前の緊張感でなかなか食べられない選手もいるので、簡単に食べられて、かつ必要な栄養素も摂取できる」。さらに、1人暮らしで栄養面に不安を持っている選手も多いようで「野菜を食べることが大切だと分かっていても、疲れていて準備をする余裕がなかったり、調理方法が分からなかったり。そういう時、家にこれが置いてあれば安心です」と、導入理由を説明している。

BASE PASTAは茶色の平麺
BASE PASTAは茶色の平麺

 手軽で必要な栄養素がとれるとあって、野球だけでなく、サッカー、長距離、ボクシングなどの選手も続々と利用し始めているという。「夏場はめんつゆと合わせたり、さっぱり大葉と合わせて食べたりするのもおすすめ。和洋中、何にでも取り入れられます」(橋本氏)。パスタの固定概念を崩してくれた「BASE PASTA」を上手に取り入れてみてはどうだろうか。