杜の都・仙台の最速144キロ左腕がアツい! 佐藤隼輔(しゅんすけ)投手(3年)が今、高校野球宮城大会を沸かせている。

 プロ4球団10人のスカウトが集結した19日、2回戦の仙台商戦で2試合連続完封を記録した。122球、8奪三振。1-0の辛勝。好投手との投げ合いになったが「球数が多くならないように、打たせて取った。脱力して7割くらいの力で投げ、ピンチになったらギアを上げました」と安堵の笑顔を見せた。

プロ注目左腕・佐藤の快投で2回戦を突破した仙台。19年ぶりの甲子園へ、ここからギアを上げていく
プロ注目左腕・佐藤の快投で2回戦を突破した仙台。19年ぶりの甲子園へ、ここからギアを上げていく

 身長180センチ、77キロと恵まれた体格。学業優秀で、練習熱心。サッカーの内田篤人(シャルケ)似の端正なマスクで「スター性もある」(巨人柏田貴史スカウト)と、プロの評価は上々だ。久しぶりに表れた公立校の大物選手。佐藤は、周囲の激励を力に変えて、集大成の夏を勝ち切るつもりだ。

 1年夏から登板し、今夏で3度目となる夏の宮城大会で、体調管理には人一倍気を使っている。猛暑となった1回戦(15日・名取北)は18三振を奪い圧倒したが、暑さと緊張から6回は足がつるアクシデントに襲われた。気迫で投げ切ったものの、体重は1キロ減。夏の怖さを知った。

2回戦で決勝打を放った4番笹口大輝主将も積極的に補食をとり、夏に照準を合わせてきた
2回戦で決勝打を放った4番笹口大輝主将も積極的に補食をとり、夏に照準を合わせてきた

 「初戦の後は、ご飯の量を増やして2、3日で体重を戻しました。(コンディションは)もう大丈夫です」。2回戦では、教訓を生かして脱水症状を防ぐ「経口補水液」をベンチに入れて、チーム全体で熱中症対策に努めた。「最近レモン味にハマっている」と飲み物をクエン酸系のものに変え、3回戦(23日)に向けてリフレッシュと、ビタミン補給を行っている。

私学に負けないパワーつける

なごやかなムードで卵かけご飯を食べる仙台の選手たち。保存容器や大きなお椀に入ったご飯をどんどん食べていく
なごやかなムードで卵かけご飯を食べる仙台の選手たち。保存容器や大きなお椀に入ったご飯をどんどん食べていく

 私学に負けないパワーをつけるためにチームで行ってきたのが「卵かけご飯」の補食だ。午後6時15分になると、2、3年生39人は茶碗1杯分のご飯を食べる(1年生は補食品を持参)。生卵をかけて、各選手お気に入りのしょうゆや、「ご飯の供」と一緒にご飯を食べる。全体練習が終わるのが午後7時半ごろで、その後自主練習を行う選手が多いため、白米パワーが必要なのだ。

卵かけご飯に合うしょうゆなどご飯の供を、各選手がそれぞれ名前を書いて持ち込んでいる
卵かけご飯に合うしょうゆなどご飯の供を、各選手がそれぞれ名前を書いて持ち込んでいる

 1年の時は64キロしかなかった佐藤も、この補食の効果もあって77キロまで体重アップ。「キツイ練習をした後は、1日の中でも体重が減るんですが、今では1カ月トータルで見て、ほぼ一定を保てています」と胸を張った。偏食もなく、苦手な野菜もない。体重を減らさない食事が、順調な進化へとつながった。

部員63人。「もう一度甲子園へ!」を合言葉に、宮城で公立旋風を巻き起こす
部員63人。「もう一度甲子園へ!」を合言葉に、宮城で公立旋風を巻き起こす

 「せんたか」の愛称で知られる仙台は文武両立の市立高校で、野球部は1941年に創部、98年夏に甲子園に出場している。あの時の喜びをもう一度…。エース佐藤を中心とした守り勝つ野球で宮城69チームの頂点、19年ぶりの甲子園を目指す。【樫本ゆき】