高校野球の夏の甲子園沖縄大会が始まった。2010年に沖縄県勢として初、史上6校目の春夏連覇を果たした強豪・興南は23日に初戦を迎える。

 昨年8月、学校内の敷地に野球部寮が移転。昨年までは、我喜屋優監督夫人の万里さんが寮母を兼ねて食事も担当していたが、新施設では業者に委託。選手に合わせたメニューを作成し、調理してもらっている。

ご飯を何杯を食べる、という決まりはないが、それぞれに目標を立てて食事。体を大きくしたい選手は、何度もおかわり

 「特別、栄養士さんがいるわけではないんですが、チームから量をたくさん出して欲しいという要望があったので、考えて出しています。食材も、寮母さん(万里さん)が野菜など、いろいろ持ってきてくれるので、それを生かした料理にしたり、臨機応変に対応しています」(料理長)。

 「朝は魚、夜はガッツリ食べられるような鶏肉や豚肉をメインにすることが多いですね。それに小鉢を1~2品。沖縄の夏は暑いので、体力が落ちるのでどうしても食が細くなってしまいます。その体調管理が難しいですね」(料理長)。

ご飯は1杯600g。各自ジャーの横にある計量器で測って盛りつけ

 そこで活躍するのが、沖縄料理だ。暑くなるこれからの季節は、夏野菜のゴーヤーを使った料理が頻繁に出てくるという。沖縄そばも月1、2回は登場する。

 選手たちの1番人気はタコライス。ご飯の上に、ひき肉にたくさんの野菜を乗せ、混ぜて食べる。見た目の楽しさと美味しさで、食も進むそうだ。

この日のメニューは、沖縄おでん、ちゃんぽん、レタスのみそ汁に牛乳。おでんはご飯が進む具がたくさん

 取材したこの日のメニュー、沖縄のおでんも通常の具材とちょっと違った独特の風味で、ご飯が進むように工夫されていた。また「ちゃんぽん」と呼ばれる野菜炒めは、だしをきかせた味付けで卵を加えた沖縄料理。ご飯のおかずにはピッタリだ。

 暑い土地柄、沖縄料理はスタミナ料理が多い。「どちらかと言えば油っぽいものが多いかもしれせんが、そういうのがパワーになるかなぁと。ご飯も進み、野菜もしっかり摂れるでしょう」と砂川太副部長も沖縄料理効果に太鼓判を押す。

選手たちの食事を見守りながら声をかける砂川副部長。練習の緊張感から解放され、明るい会話が飛び交う

 福元信馬一塁手(3年)は「寮の食事は、メニューの量が多くて美味しいです。おかず以外にも、ふりかけや肉みそなど、寮母さんがいろいろ用意してくれて自由に食べていいので、ご飯をもっと食べたい人は自主的におかわりをするので、在学中に体が大きくなりますよ」と話す。

冷蔵庫には寮母の万里さんが差し入れしてくれるという食材が入り、食べ放題。ご飯が進むおかずが揃っている

 平日は授業が終わると、全員がおにぎり1個の補食を食べてから練習を開始。冬場の11~2月までは、それに豆乳を加え、年内はバナナも食べて体作りをしてきた。2年ぶりの甲子園へ、準備は万全だ。【保坂淑子】

保坂淑子(ほさか・よしこ)

 フリーライター、エディター。日刊スポーツ出版社刊「プロ野球ai」デスク、「輝け甲子園の星」の記者を務める。「輝け甲子園の星」では“ヨシネー”の愛称で連載を持つ。「ヨシネーのひとりごと」(ニッカンスポーツコム)も連載中。