米プロバスケットボールのNBAでは、コンディション維持とパフォーマンス向上のため、プロ選手に必要な栄養のガイドラインを設けている。どのような指標なのか、紹介しよう。

NBAの食生活ガイドライン(NBA公式HPより)
NBAの食生活ガイドライン(NBA公式HPより)

高いレベルのエネルギーを維持し、体力の消耗から早く回復し、パフォーマンスを向上させるには、3時間おきに食事する習慣をつけること。

筋肉の主要エネルギー源となる炭水化物は欠かせない。全粒粉のパンやオートミール、大麦、米、豆類など日常的に質の高い炭水化物を摂取すること。イモ類やドライフルーツ、新鮮なフルーツも併せて摂取しよう。

体力を回復させ、傷ついた筋肉組織を修復するには、高品質のタンパク質が必要不可欠。グリルまたはボイルした魚、鶏肉、七面鳥や卵白、サーロインやヒレなど赤身の牛肉がおすすめ。

消化してエネルギーに分解されるまで時間がかかる脂肪は、良いエネルギー源ではない。脂肪の摂取量はなるべく抑えること。

水分をたくさん取ること。脱水、疲労、筋肉のけいれんを防ぐためにも、試合前、試合中、試合後と常に水分を取ることは重要。

食事制限や必要なカロリー以下の食事をすることは安全ではなく、減量方法としても勧められない。食事の量が少なすぎると代謝や強さ、パフォーマンスの低下につながり、試合や練習での全体的な成果に影響を与える。

サンズのダドリーの食生活

 では、実際にNBA選手はどのような食事をしているのか。フェニックス・サンズのベテランフォワード、ジャレッド・ダドリー(31)が、スポーツに関する情報を発信するオンラインサイト「ACTIV」に詳細を明かした。

朝食
 朝食は抜かずに必ず食べる。朝食べることで1日を元気に過ごせる。卵にフルーツかオートミールが定番。

昼食
 体重を落としたいならワークアウトの後に食べること。鶏肉かツナ、または七面鳥のサンドイッチが定番。炭水化物はエネルギー回復を手助けし、肉は筋肉を修復するのに必要なタンパク源だ。

間食
 昼食と夕食の間に補食としてナッツやドライフルーツのミックス、サーモンかチキンをトッピングしたサラダなどを食べる。甘い物が欲しい時は、凍らせたフルーツかヨーグルト。

夕食
 タンパク質が中心。チキンにレタスやホウレン草、アスパラなど緑黄色野菜をチョイス。食物繊維をたくさん取ることで食欲も満たせる。

デザート
 アウェーで勝った時は、ご褒美としてチョコレートチップのクッキーなど甘い物を食べることを自分に許している。楽しみを作ることで日常的に食べることを防げる。

夜食
 試合後に次の遠征地に移動する際には、飛行機の中やホテルで食べるための食事を用意して持参する。こうすることで深夜にスナックなどに手を出すことはない。

 幼少時代はファストフード好きで、ぽっちゃり体系から「テディ」のあだ名をつけられていたダドリーは、プロになってからガイドラインを参考に、食生活に気を付けるようになった。201センチ、102キロとトップ選手としてはそれほど体格的には恵まれていないが、気迫あるしつこいディフェンスなどを売りに複数の球団を渡り歩き、10年のキャリアを積んできた。日頃の食事でのコンディション作りの成果ともいえそうだ。【千歳香奈子】