全国屈指の小学生サッカー選手は食意識も高かった。JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー全国決勝大会が5月3日~5日、神奈川・日産スタジアムほかで行われた。気温が上昇する中、1日複数の試合が組まれていたが、選手たちは最後まで豊富な運動量で、存分にパフォーマンスを発揮した。各地域予選を勝ち抜いてきた強豪チームの選手たちは将来の目標が明確で、日頃からしっかり食べていることが判明。保護者のサポートも力強かった。

1日5食、朝はどんぶり飯

 初出場で初優勝した江南南サッカー少年団(関東第2)のキャプテン、DF為谷永渡選手(6年)は、部屋の壁に「日本一」「プロサッカー選手になる」といった目標を掲げている。現在145センチ、35キロ。「小柄だから大きくなるように」と自分で食事の本を読んだり、家族の話を聞いたりして、意識してたくさん食べるようにしている。

小学生8人制サッカーで優勝カップを掲げ喜ぶ為谷永渡主将ら江南南サッカー少年団の選手たち

 母陽子さんも全面サポート。朝、昼、サッカーの練習に行く前、帰宅後の夕飯、夜食と1日5食を準備。肉、魚、野菜をメーンに、彩りを重視した食事作りを心がけている。

 朝食はどんぶり飯。「残しても良いからと、食べさせるようにしています」と陽子さん。起きがけでは胃が活性化しないため、為谷選手も早起きし、軽くトレーニングをしてからご飯を食べるようにしているという。

小学生8人制サッカー決勝で、喜ぶ江南南サッカー少年団の保護者ら応援団

 埼玉県熊谷市にある江南南FCは、原口元気(ヘルタ・ベルリン)の出身チームとして有名だが、為谷選手の自宅は原口の実家に徒歩5分ほどと近く、小中学校も同じ。通学する熊谷市立別府小学校には、原口のユニホームやスパイクが飾ってあり、「それを見て育ってきていますから」(陽子さん)と自然とプロ選手を目指すようになった。

 大会期間中の夕食は、仲間とご飯の量を競い合って食べたという。宿舎には父親たちが泊まり込み、夕飯の食事内容を撮影。誰が何杯食べたかといった情報を保護者全体で共有するなど、後押しも大きかった。

ご飯量って1食250g

 決勝で敗れたサガン鳥栖U12(九州)は、体格の良さが目立っていた。年に1度、栄養講習会が開かれ、保護者全体が基本の食事のスタイルを共通認識している。「1日2500Kcalの食事」「ご飯は1食250g。毎回量って食べています」と6年生選手のお母さん方は、こちらの問いに声を揃えて答えてくれた。

サガン鳥栖U12のイレブン

 ご飯1食250gは分割してもいいため、試合や練習の後の補食として、自らおにぎりを握って持っていく選手も多い。

 ほぼ毎週土日に行われる遠征時の弁当は、家庭での手作りが義務づけられている。「緊張で食べられないこともあるので」とおにぎりのほか、フルーツ、チーズなど食べやすいものをクーラーバッグに入れて持たせている。母ならではの気遣いが、そこにある。

スナック菓子は食べない

 初の全国大会に出場したエスピーダ旭川(北海道)のFW鈴木翔衣跳(かいと)選手(6年)の目標も「Jリーガーになりたい」。母純子さんが最も意識しているのが朝食で、主食、主菜、副菜、乳製品、果物、汁物とバランス良く揃えている。

日産フィールド小机で行われた予選ブロックで応援するエスピーダ旭川の保護者たち

 鈴木選手も食事の本を読んだり、好きな選手の食事情報を得て取り入れている。飲むのはクエン酸、お茶、100%オレンジジュース。オレンジジュースは、ロナウド(Rマドリード)が飲んでいると聞いたから。お菓子は多少食べるが、スナック菓子は一切食べないという。

 現在148センチ、39キロ。「小柄だけどマッチョです」と純子さんは力強い。練習前に夕食をとらせ、練習の迎えの車の中で、補食のおにぎりを食べさせる毎日は、4年目になる。この日、誰よりも大きな声で声援を送っていた純子さん。息子の夢をバックアップすることを楽しんでいるように見えた。