<かつお節はアスリート食(上)>

 アスリートにこそ、かつお節を食べて欲しい。東京・日本橋で創業318年を迎える株式会社にんべん鰹節食育担当の木村絵里子さんが、健康食として注目されるかつお節について、2回に分けて説明します。第1回は、かつお節の栄養価の高さについて。

にんべん1

タンパク質、鉄が豊富

 アスリートに必要とされている栄養素の1つに、体を作るタンパク質があります。体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む、良質なタンパク質を積極的に摂取することが大切です。

 次に、鉄が挙げられます。鉄は不足すると、運動中に貧血を起こしやすくなります。吸収率が悪いので試合直前ではなく、普段の食生活から継続的に摂取することが重要です。

 それらのポイントを押さえている優秀な食品、それが「かつお節」です。

かつお節ができるまで

 かつお節は、1尾のカツオから本節4本(背側2本・腹側2本)が作られます。内臓を取り除き、切り分けた後、煮てうまみを閉じ込め、骨抜き、いぶし、カビ付け、日干しの順でうまみを凝縮させていきます。

 まさに日本の職人技。完成まで約半年かけて、丁寧にじっくり仕上げます。本節の水分は13~15%で、世界で1番堅い食品と言われています。

かつお節の栄養価

 そもそも、カツオがタンパク質豊富で高い栄養価を含んでおり、それを凝縮するわけですから、それだけでも非常に栄養価は高いのです。

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 必須アミノ酸を多く含むかつお節は、高タンパクで低カロリー。かつお節10g(パック約2袋分)で、大人が1日に必要なタンパク質の3分の1を摂取できます。

 また、ビタミンやミネラルが凝縮した発酵食品でもあり、100%天然素材なので安心・安全です。100gあたりの分析値は、タンパク質77.1g、鉄5.5mg、ナイアシン45.0mgと非常に高い数値。料理にちょっと振りかけるだけで、手軽に栄養をプラスして摂ることができるのです。

「給だし」で水分補給

 そのかつお節からとれるだしも、100gあたり3キロカロリーと、とてもヘルシーです。このだしはアミノ酸やミネラルをたっぷり含んでいるので、スポーツの合間の水分補給として取り入れてみてはいかがでしょうか。「給水」の代わりに「給だし」をおすすめします。

 試合後は、運動によって損傷した筋肉を修復するためにアミノ酸(タンパク質)と鉄が必要です。運動により、胃や腸もとても疲れているので、温かいものをゆっくり食べるといいですね。かつお節だしと、削り節をかけたメニューなどでアレンジしてください。「おかゆの梅肉あんかけ」のレシピを紹介します。

おかゆの梅肉あんかけ
※「にんべん」のかつお節レシピ(講談社)より
おかゆの梅肉あんかけ ※「にんべん」のかつお節レシピ(講談社)より

<おかゆの梅肉あんかけ>
材料(作りやすい分量)
おかゆ…適量
かつお節だし…カップ1
(A)梅肉…大さじ1
   みりん…小さじ2
   砂糖…小さじ2
   しょうゆ…小さじ1
   塩…適宜
水溶き片栗粉…片栗粉小さじ2+水大さじ1

作り方
①鍋に、かつお節だしを入れて火にかけ、(A)を加える。味をみて、塩けが足りなければ塩少々を加えて味をととのえる(梅肉の塩分によって加減する)。
②に水溶き片栗粉を加え、とろみをつける。
③器におかゆを盛り、②を添える。
※レシピは「にんべん」のかつお節レシピ(講談社)より