<ヤクルト寮めし(1)>

 プロ野球はキャンプ真っ最中ですが、普段、寮で生活する選手はどのような食生活を送っているのでしょうか。1月の合同自主トレ期間中、埼玉・戸田市の東京ヤクルトスワローズ戸田寮で、食堂係責任者の三沢岳明さん(42)と管理栄養士の天方一匡さん(35)に、話を聞きました。

とても清潔なヤクルト戸田寮の食堂

 約30年前に建てられたヤクルト寮の食堂には、大きな窓があり、明るく、とても清潔だった。丸テーブル、長テーブルで席数は40。入り口近くの冷蔵ケースにはヤクルト製品が詰められ、選手は飲み放題となっている。その近くには、おもむろに体重計が置いてあり、トレーニングの合間に選手が出入りし、体重を計測していく。

ヤクルト製品は飲み放題

 今年は、ドラフト1位の寺島成輝投手ら新入団選手7人をはじめ、19人が寮生活を送る。寮には、大卒・社会人で2年、高卒で4年間入寮するのが決まり(結婚すれば退寮が認められる)。いずれ巣立ち、独り立ちする選手たちに、プロアスリートとしての基本をたたき込む場所でもある。

 食事は基本的に遠征、キャンプ時以外は朝、昼、晩ともここでとる。

 献立を作るのは、天方さんだ。「試合があるかないか、練習や運動量を計算しながら計画を立てています」(天方さん)。

壁に張り出された献立表

 この時期の1日の摂取エネルギーは約4500キロカロリー、夕飯は1500キロカロリー前後に設定されていた。献立表には、エネルギーと糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質が記されている。本来は、体格、ポジション、基礎代謝量、活動レベル、増量・減量などの目的によってエネルギー摂取量は違うため、選手は毎日体重を計り、自分で調整する。そのための参考数値だ。

 夕飯の品目は、肉、魚、副菜、汁物、ごはん、フルーツ、生野菜、乳製品(ヤクルト製品飲み放題)は必ず出され、定食スタイルでなく、ビュッフェスタイルをとっている。

ビュッフェスタイルの夕食

 「いずれ1人暮らしをしたときに困らないように、自分で食事を選ぶ力をつけて欲しいので、ビュッフェスタイルをとっています。どうしても嫌いなものがあったとき、その栄養素を何で補うか、考える力をつけて欲しいんです」(三沢さん)。日頃から選手はバランスよく、色んな食材を選ぶトレーニングができるようなシステムになっているのだ。

この日のメニューは、鶏つくね鍋、マグロほほ肉ステーキ、牛肉焼き浸し、あおさ海苔と大根おろしの山菜和え、ごはん、生野菜、フルーツ

 この日のメニューは、鶏つくね鍋、マグロほほ肉ステーキ、牛肉焼き浸し、あおさ海苔と大根おろしの山菜和え、ごはん、生野菜、フルーツ。ボリュームもたっぷりだが、見た目も鮮やかで食欲が湧くように工夫されている。

 食材には旬のものを取り入れたり、選手のリクエストも受け付けたりする。先日は「カニが食べたい」との要望を受けてカニメニューにしたという。

山崎晃大朗外野手のコメント

 ごはんは何でもおいしい。毎日「今日のメニューは何だろう」と楽しみにしている。高校、大学も寮生活だったけど「また、これか」という日がないくらい、バリエーションは豊富。ステーキが2枚出たときはビックリした。あまり量を食べるほうではないけど、ごはんが進むおかずが多いですね。