ウインターカップ2016全国高校バスケットボール選抜優勝大会が、東京体育館で熱戦展開中だ。感染症が流行する冬の時期の開催とあって、多くのチームが会場入りする際、マスクを着用している。高校最後の王座を争う大会で選手たちはどのように体調管理に努めているのか、聞いてみた。

手洗い、うがい

 手洗い、うがいを徹底しているチームがほとんどだ。男子準々決勝に進出した市船橋(千葉)のビッグマン、195センチの田村伊織選手(3年)は「僕らはチームで動いているので、誰か1人でも抜けたらダメ。意識づけを徹底し、アルコール除菌製品も持ち歩いていました」と話した。

市船橋の田村伊織。中学時代から身長は11センチ伸びて195センチだが、体重は10キロ減量。食事はバランス良くを徹底

都内で連泊

 勝ち続ければ、地方のチームは都内ホテルに連泊することになる。しかも、年間で最もにぎやかなクリスマスシーズン。平常心を保てるかも重要となる。

 全国高校総体の王者で、今大会も決勝に進出した福岡第一(福岡)の司令塔、重冨周希選手(3年)は「東京に来る、ということで雰囲気に飲まれないようにしてきました。今のところ大丈夫です」と笑顔を見せた。

福岡第一の双子のガード、重冨周希(4番、右)と友希は172センチ、64キロとサイズもほぼ同じ

食事、栄養指導

 家庭や寮で食べる食事内容と変わるが、「中華、洋食などホテル内にいくつか食堂があるので、偏りなく交互に食べるよう指導されています」(重冨選手)。

 普段から「バランス良い食事」を意識している田村選手は、その日の朝食内容をすらすら答えた。「サラダ、ご飯、お味噌汁、スクランブルエッグ、ウインナー、フルーツ、ヨーグルト」。何を食べてきたのか、把握できているところも、強さの秘密だろう。

管理栄養士からアドバイス

 (株)明治スポーツ栄養マーケティング部の管理栄養士、岩切佳子さんは、高校生アスリートには①主食、②おかず(主菜)、③野菜(副菜)、④果物、⑤乳製品がすべてそろった「栄養フルコース型」の食事をすすめる。この食事の型だと選手に必要な5大栄養素が簡単に摂取できるという。

明治スポーツ栄養マーケティング部の管理栄養士、岩切佳子さん

 また、カゼやインフルエンザ対策として免疫力を高めるためには「特に色の濃い野菜と、甘酸っぱい果物に多く含まれるビタミンCが大切。乳製品に含まれる乳酸菌も、腸内環境を整えるので、意識して食べて欲しいですね」とアドバイスを送った。

 まだまだカゼがはやる季節が続く。練習、試合でベストパフォーマンスを発揮するには、食事面からの体調管理も必要だ。

開志国際がモデル校

 岩切さんは、女子が今大会にも出場し、8強入りした開志国際(新潟)の男女バスケットボール部を、3年前の創部当時から栄養面でサポートしている。約3カ月に1度、指導に出向き、大会に帯同。入学時にひ弱だった選手のカラダが「2年生の途中から変わったなと感じる」と、当たり負けしなくなってきたことに喜びを感じている。

シュートを決める開志国際の藤永真悠子

 寮で出される食事は、おかずの量が決まっているため、ご飯の量でエネルギー調整。そのほか、コンビニなどでの商品の選び方、補食のタイミングなど、必要な量、偏りのない質を摂るよう指導している。

 選手からはケガや貧血になった時、特に男子選手からは「頑張って食べているけど、なかなかカラダが大きくならない」といった質問が寄せられるという。「身長が伸びているときは、横にはなかなか大きくならないので、焦らず続けて食べていこうとアドバイスをし続けていますが、実際は量が足りていないこともあるので、選手ごとに確認、指導しています」。

 最近はスイーツ男子も増えていて、甘いお菓子や菓子パンを好む選手がいるようだが、「食事でカラダは変わります。カラダづくりの時期に必要なものを不足しないよう食べて欲しい」と話していた。