<カラーセラピストに聞く>

 前回のコラム「食べる前に脳に伝達、色の力で食欲増進・減退」で、赤、オレンジ、黄といった暖色系の色は交感神経を刺激し、食欲増進効果があると伝えました。色の組み合わせによって、さらなる効果があるのでしょうか。引き続き、アドバンスプロカラーセラピストの村田容子さん(40)に話を聞きました。【聞き手・飯田みさ代】

料理にも「補色」を取り入れる

 色を体系的に示す色相環を見ると、色の並びやバランスが分かる。

色相環

 村田 料理に「補色」、いわゆる反対色を取り入れると引き立ちます。グリーンサラダには緑の補色である赤いミニトマトや赤パプリカを、黄金色のパンケーキにはブルーベリーなどを添えると、ぐっとおいしく見えます。赤身のお刺身だけをお皿に乗せるよりも青じそを添えた方がいいですし、お肉だけよりもパセリやブロッコリーなど緑のものを加えた方がいいですね。結果としてパセリは食べなくても、視覚から食欲がわき、全体としての量を食べられているかもしれません。また、「近似色」で色の濃淡を出すのも効果があります。

 食材だけでアレンジできない場合は、皿や器、箸の色を変えるだけでもいいという。

どのお皿が一番おいしそうに見えますか?
どのお皿が一番おいしそうに見えますか?

 村田 黒の器は料理を鮮やかに見せ、白は素材を引き立てます。黄色は気持ちが明るくなり、ピンクは柔らかい気分になって食欲が出ます。また、減退色と言っていた青も黄色の料理、例えば青いカップにパンプキンスープをよそると、補色効果でおいしく見えます。

どのテーブルクロスが一番おいしそうに見えますか?
どのテーブルクロスが一番おいしそうに見えますか?

 簡単に食器を買い足せないという場合は、ランチョンマットや小物などで、目に入るところに色を使えばいいのだという。100円ショップで買えるもので十分。親も楽しみながらテーブルを飾ると、家族の安らぎにつながる。

お弁当箱も色でアレンジ

 中高生にとっては、お弁当をおいしく食べられるかどうかも、勉強や部活の頑張りを左右する。

 村田 男の子は弁当箱にも無頓着で、機械的に食べているかもしれませんね。作る側も彩りよりパワー重視で、茶色のおかずが多くなることもあるでしょう。そんなときは、バランを挟むだけで色が加わり、明るくなります。

 弁当を華やかにする小道具は、色を使えるだけ使った方がいいのかというと、そうではない。 

こういった小物を使って食卓やお弁当を楽しくアレンジ
こういった小物を使って食卓やお弁当を楽しくアレンジ

 村田 色の世界では「3色」がいいと言われています。メインのおかずを引き立てるような、アクセント的な使い方がいいと思います。

いつも同じでは効果減

 やはり、「慣れ」が生じると、色の効果も薄れる。時々変化をつけて「おや?」「あれ?」と思わせるのがコツだ。

 村田 自分で色を選ばせる、というのも効果があります。カラーセラピー的には、直感で選んだ色でそのときの心と身体の状態が分かるのですが、自分で選んだ色ですから、自然とすんなり食事をしてくれると思います。

 村田さん宅では、中学1年、小学4年の娘さんたちに好きな色のランチョンマットやお箸を選ばせているという。

 色を上手に取り入れることで日頃の食卓が変わり、栄養摂取も上手に進むかもしれない。カラーセラピストによる視覚を重視した食卓作りを、ぜひヒントにしてみては?

試験は「青」で集中

 年明けにいよいよ中学、高校、大学受験が本番を迎える。緊張して実力を発揮できなかった…ということにならないためにも、色を考慮するといい。心を静め、問題に集中したい場合は「青」。鉛筆や消しゴムは青を選ぼう。逆に闘争心を高めたい場合は「赤」で攻めよう。