<Bリーガーの食卓:比江島慎>

 男子プロバスケットボールBリーグ、シーホース三河の比江島慎(26)は、22日に開幕する新リーグで田臥勇太(栃木)と並ぶ注目選手と言っていいだろう。アウトサイドからのシュート、切れ味鋭いドライブ、ゴール下でステップを駆使し、大型選手を翻弄(ほんろう)しながら得点を決める日本屈指のオールラウンドプレーヤーだ。

 しかし、華々しいプレーとは対照的に、食事の話になると「僕に聞かないほうがいいと思います」と消極的。「正直、あまり食事に気は遣っていません。ただ太りやすい体質なので、食べ過ぎだけは気にしていますし、シーズン中は油ものは控えるようにしています」。そんな比江島の食生活を聞いた。

三河の比江島慎(提供:シーホース三河)
三河の比江島慎(提供:シーホース三河)

毎食外食、カレーが大好き

 今は毎食外食ですね。カレーが大好きで週2、3回は食べています。カツカレーに納豆トッピングが基本。牛丼屋にもよく行きますし、焼肉も食べますし…。好物はカレーとチキン南蛮。チキン南蛮はカロリーが高いので、あまり頻繁に食べないようにしています。

 日本代表として海外で戦うことも増えました。色々な人から「食事でコンディションがすごく変わるよ」と聞くので、変えなきゃいけないのは分かっているんですけど、1人ではなかなか難しい…。早くしっかりした食事を作ってくれる人を見つけて、頼るしかないと思っています(笑)。

大学時代は毎食3合めしの食トレ

 大学時代は大変でした。パワーアップのため、「とにかく体重を増やせ」と言われていたので、ひたすら食べて、プロテインを飲んで、トレーニングして…。レトルトの合わせ調味料と野菜を使ってホイコーローとかを自分で作って、ごはんは毎食3合食べていました。

三河の比江島慎(提供:シーホース三河)
三河の比江島慎(提供:シーホース三河)

 「少し太ってもお前は動けるから大丈夫。体重が減るほうがよくない」ということで、夜中に大盛りの焼きそばとかも食べていましたね。実際にそれで太ってしまったこともありますが、若かったのであまり気にはならなかったと思います。

プロとして食事改善したい

 Bリーグ開幕に向けて「バスケを知らないお客さんも来てくれるようになると思います。そういう人にも面白いと思ってもらえるような、ワクワクするようなプレーをしたいし、自分にはできると思っています。毎試合毎時間、常に全力でやっていきたい」と話す比江島。プロとして食生活改善の必要性は分かっているが、なかなか実践できないもどかしさも感じている。この先、どう意識改革をするのか、追っていきたい。【青木美帆】

■管理栄養士・山崎みどりのコメント

 運動量の多いバスケットボールでは、スタミナアップ、筋肉の維持が大切になります。カレーや牛丼、チキン南蛮など、子供が好きそうなメニューばかりで野菜を食べているのかとても心配になります。

 糖質と脂質だけではエネルギーは使われません。ビタミンB1、B2の補給はもちろん、当たり負けしない体づくりやケガの予防として、カルシウムや鉄などのミネラル、野菜や果物に多いビタミンCも必要です。外食が続くのなら、まずは野菜(サラダ)とヨーグルトなどの乳製品をプラスすることを意識してください。

 海外でも戦うプロの選手として、食事の改善は必須項目です。自覚をされているようですので、ご自身のためにも食事を見直したほうがいいでしょう。

比江島慎(ひえじま・まこと)
比江島慎

 1990年(平2)8月11日、福岡県生まれ。百道中-洛南高-青学大-アイシンシーホース(現シーホース三河)。190センチ、88キロ。ポジションはポイントガード。